KYOTOGRAPHIE 2025

Top Photo:The Artificial beach inside the Ocean Dome, Miyazaki, Japan, 1996 ©Martin Parr/Magnum Photos
Top Photo:K-01 (Irish series), 2018 ©Eamonn Doyle

KYOTOGRAPHIE 2025

人間性とは何かを問う4プログラム

13回目の開催となる国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」が、京都市内各所にて4月12日(土)から5月11日(日)まで開催される。

伝統と革新の共存する文化都市・京都を舞台に開催される国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」。
国内外の貴重な写真コレクションを趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に展示し、時に伝統工芸職人や最先端テクノロジーとコラボレーションしながら、京都ならではの写真祭を目指してきた。

2025年は「HUMANITY」をテーマに、アーティスト自らの経験を中心に据えた作品の数々を通して、個人、そして世界の一員としての人間の在り方を探求する。

愛の力や共感力、危機を乗り越える力に眼差しを向けつつ、人間の営みの複雑さを浮かび上がらせるさまざまな展示から、Lula Japan Webが注目する4プログラムをご紹介。

1. Exhibition|Martin Parr

The Matterhorn, Alps, 1990 ©Martin Parr/Magnum Photos
Athens, Acropolis, Greece, 1991 ©Martin Parr/Magnum Photos 
Chichén Itzá, Mexico, 2002 ©Martin Parr/Magnum Photos

イギリスを拠点に活躍する写真家 Martin Parrの「Small World」が、TIME'Sにて開催される。

1952年、イギリス・サリーに生まれたMartin Parrは、現在最も注目されているアーティストの1人。
1994年からMagnum Photosに所属し、ビビッドな色と難解な構図で知られる彼は、日本や母国イギリスをはじめとする欧米、そして中国など、世界各地の文化の特性を研究し、レジャー、消費、コミュニケーションといったテーマをアイロニーと共に探求し続けている。

本展ではマスツーリズムというテーマのもと、長年世界中で撮影してきたユーモアあふれる作品に加え、開催直前に京都で撮影された新作を同時に発表する。

2. Exhibition|Eamonn Doyle

Kathryn’s Letters, 2018 ©Eamonn Doyle
K-01 (Irish series), 2018 ©Eamonn Doyle
K-15 (Irish series), 2018 ©Eamonn Doyle

アイルランドのアーティスト Eamonn Doyleの展覧会「K」が、東本願寺 大玄関にて開催される。

1969年アイルランド・ダブリンに生まれたEamonn Doyleは、1996年に国際的に評価の高いレコードレーベル D1 Recordingsを設立し、およそ20年にわたり音楽業界に携わる。

その後2008年に大学で学んだ写真制作を再開し、2016年にはアルル国際写真祭にてダブリン3部作「i」、「ON」、「End.」を発表。
自身で制作する音楽は、彼の展覧会や共同制作した映画作品の支柱となる要素を担う。

本展では、Doyleの兄の急逝による母 Kathrynの痛哭を映し出した作品「K」を展示。
Kathrynが亡き息子宛てに書いた手紙を、姿を見せることのない亡霊のような佇まいの像影が写る写真や、音響作家 David Donohoeがアイルランドの哀歌をもとに特別に作曲したサウンドと重ね合わせる。

3. Exhibition|Eric Poitevin
Presented by VAN CLEEF & ARPELS

©Eric Poitevin
©Eric Poitevin

フランスの写真家 Eric Poitevinの写真展「両忘—The Space Between」が、両足院にて開催される。

1961年フランス・ロングイヨンに生まれた、フランスの現代写真界を代表するアーティスト Eric Poitevin。
ヌード、ポートレート、静物、風景といった古典絵画の主要なジャンルを、自然と身体を中心とした写真プロセスを通じて再考する作品群で知られている。

彼は第1次世界大戦の退役軍人、雄鹿の亡骸、頭蓋骨や蝶、そして森などの被写体を扱い、時に自身が思い描く姿になるまで何ヶ月も待ちながら、綿密なイメージを構築する。

光やフレーミング、サイズやプリントのテクスチャーなどが作品の表層を削ぎ、被写体そのものが持つ儚さを露わにする。

4. Exhibition|Mao Ishikawa
Presented by SIGMA

Red Flower: The Women of Okinawa series, 1975-1977 ©Mao Ishikawa
Red Flower: The Women of Okinawa series, 1975-1977 ©Mao Ishikawa
Red Flower: The Women of Okinawa series, 1975-1977 ©Mao Ishikawa

写真家 石川真生の写真展「アカバナ」が、誉田屋源兵衛 竹院の間にて開催される。

1953年沖縄県大宜味村で生まれた石川は、70sから活動を開始。
同地を拠点に制作活動を続け、沖縄をめぐる人物を中心に、人々に密着した作品を制作してきた。

国内外で広く作品を発表している彼女の作品は、沖縄県立博物館・美術館の他、東京都写真美術館、福岡アジア美術館、そしてアメリカのヒューストン美術館やメトロポリタン美術館など、公立美術館にも数多く所蔵。
2024年には令和5年度芸術選奨文部科学大臣賞と第43回土門拳賞を受賞した。

本展では、70s後半に米軍兵の中でも差別されていた黒人兵だけが集まるバーで働きながら恋愛模様や当時の沖縄をシャッターに収めた最初期の作品「赤花」を公開。
あわせて、自身が愛してやまない人々を沖縄の離島で撮影している現在進行中の最新作も発表する。

春の京都で再考される、根源的な問い。
多様な作品群の中に、その答えの欠片を探して。



KYOTOGRAPHIE
www.kyotographie.jp/



【KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025】
DATE:4月12日(土)~5月11日(日)
※休館日は会場により異なります。
PLACE:京都市内14ヶ所
PASSPORT:一般 ¥6,000、学生 ¥3,000
※その他、前売り割引や単館チケット、エクスプレスパスポートチケットあり
※無料会場あり
WEBSITE:www.kyotographie.jp/
※その他詳細情報は、KYOTOGRAPHIEのウェブサイトをご確認ください。

【Martin Parr “Small World” In collaboration with Magnum Photos】
DATE:4月12日(土)~5月11日(日)
※会期中無休
TIME:11:00am~7:00pm
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:TIME'S
ADDRESS:京都府京都市中央区三条通河原町東入中島町92
ADMISSION:一般 ¥1,000、学生 ¥800

【Eamonn Doyle “K” With the support of the Government of Ireland】
DATE:4月12日(土)~5月11日(日)
※4月16日(水)、23日(水)、30日(水)、5月7日(水)休館
TIME:10:00am~5:00pm
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:東本願寺 大玄関
ADDRESS:京都府京都市下京区烏丸通七条上る
ADMISSION:一般 ¥800、学生 ¥600

【Eric Poitevin “両忘—The Space Between” Presented by VAN CLEEF & ARPELS】
DATE:4月12日(土)~5月11日(日)
※4月19日(土)、20日(日)、30日(水)、5月7日(水)休館
TIME:10:00am~5:00pm
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:両足院
ADDRESS:京都府京都市東山区小松町591
ADMISSION FREE

【Mao Ishikawa “Red Flower” Presented by SIGMA】
DATE:4月12日(土)~5月11日(日)
※4月17日(木)、24日(木)、5月1日(木)、8日(木)休館
TIME:10:00am~6:00pm
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:誉田屋源兵衛 竹院の間
ADDRESS:京都府京都市中京区室町通三条下ル 西側
ADMISSION:一般 ¥1,000、学生 ¥800

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