Sleeping:Life With Art

Top Photo:ペーテル・パウル・ルーベンス 《眠る二人の子供》 1612-13年頃 油彩、板 50.5×65.5㎝ 国立西洋美術館蔵
Top Photo:フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 《『ロス・カプリーチョス』:理性の眠りは怪物を生む》 1799年 エッチング、アクアティント 21.6×15.2㎝ 国立西洋美術館蔵

Sleeping:Life With Art

アートを通して見つめ直す、眠りという行為

国立美術館の豊富な所蔵作品の中から厳選したアーティスト33人の作品が一堂に会する「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」が東京国立近代美術館にて2月23日(火・祝)まで開催中。

ペーテル・パウル・ルーベンス 《眠る二人の子供》 1612-13年頃 油彩、板 50.5×65.5㎝ 国立西洋美術館蔵
楢橋朝子 《「half awake and half asleep in the water」シリーズより Miyajima, 2004》 2004年 タイプCプリント 60.1×90.3㎝ 東京国立近代美術館蔵
内藤礼 《死者のための枕》 1997年 シルクオーガンジー、糸 6.3×4.8×2.7㎝ 国立国際美術館蔵
塩田千春 《落ちる砂》 2004年 DVD サイズ可変 国立国際美術館蔵

今展は、2010年の「陰影礼讃」、2015年の「No Museum, No Life? これからの美術館事典」に続く、国立美術館合同展の第3弾。

人々にとって生きていく上で欠かせないだけでなく、芸術家たちの創造を駆り立ててきた「眠り」がいかに表現されてきたか、それが私たちに投げかけるものは何かを探っていく。

絵画、版画、素描、写真、立体、映像など、美術史上の名作から現代アートに至るまで、幅広い約120点もの「眠り」をテーマに生み出された作品群が堪能できる。

フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 《『ロス・カプリーチョス』:理性の眠りは怪物を生む》 1799年 エッチング、アクアティント 21.6×15.2㎝ 国立西洋美術館蔵

18~19世紀に活躍したFrancisco Goyaを案内役に美術における眠りが持つ可能性を辿る今展は、序章、終章を含む7章で構成。

目を閉じることから始まる眠りという行為を表現する「序章 目を閉じて」で幕を開け、夢と現実の狭間に焦点を当てた「第1章 夢かうつつか」へと導かれる。

眠りの裏側に存在する死と向き合う「第2章 生のかなしみ」、眠っているだけに見える人物像に描かれた当時の時代背景などの文脈を加えたり、現代の状況に重ね合わせ、異なる意味を引き出す「第3章 私はただ眠っているわけではない」、そして「第4章 目覚めを待つ」、芸術家 河原温にフォーカスした「第5章 河原温 存在の証しとしての眠り」と続き、アートにおける眠りを感じる「終章 もう一度、目を閉じて」で完結する。

Photo : Koji Honda

会場の設計デザインはトラフ建築設計事務所が、グラフィックデザインを平野篤史氏(AFFORDANCE)が手掛け、展示空間にはカーテンを思わせる布や布のようなグラフィックなど、起きていながらにして「眠り」の世界へ誘うさまざまな仕掛けが見られる。

また、少しでも環境の保全を目指すべく前会期の「ピーター・ドイグ展」の壁面の多くを再利用。
生命を維持するために欠かすことなく繰り返される眠りとリンクする形で、サスティナビリティは今展の重要なテーマとなっている。


また、展示会場の3DVRを展示会場の構成と製作に関わった人物のインタビューと共に無料公開中。
既に訪れた人はもちろん、足を運ぶことができなくても自宅から会場の雰囲気を楽しめる。


日常に静かに寄り添い、夢を見せてくれる眠り。
作品を前にした私たちにも、過去を振り返り、これからをいかに過ごすかを考える機会を与えてくれるはず。



HELLO DIAL 050-5541-8600



【Sleeping: Life With Art-From Goy and Rubens to Shiota Chiharu】
DATE:2月23日(火・祝)まで開催中 ※月曜休館
TIME:10:00am~5:00pm
※入館は閉館30分前まで
PLACE:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
ADDRESS:千代田区北の丸公園3-1
ADMISSION:一般 ¥1,200、大学生 ¥600
WEBSITE:www.momat.go.jp/

SHARE