Faire Corps

Top Photo:「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)
©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

Faire Corps

多様な背景を持つ作品群から考察する社会的身体

FRAC Grand Large所蔵作品のグループ展「体を成す からだをなす– FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」が、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムにて10月12日(日)まで開催中。

「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

フランス・ダンケルクにある現代美術地域コレクション FRAC Grand Large。

前身であるFRAC Nord ― Pas de Calaisがリールに設立された1982年から、1996年にダンケルクへの移転を経た現在までに、750 人のアーティストやデザイナーによる2000点以上もの公共コレクションを形成してきた。

同団体は美術館やアートセンターと連携、国境を越えたアートネットワークを構築。
また、これらを地域内の共有資産として学校や病院と共に展覧会を行うなど、地域のハブとなる活動も積極的に行っている。

「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

メディア横断型やデザイン分野の作品群を特徴とするそのコレクションは、60s以降のフランスおよび国際的な現代美術のさまざまな潮流を紹介するもの。

その中にはアートや社会の中に潜むヒエラルキーやジェンダー、そして地政学的緊張といった今日的な問題も示されている。

「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
「体を成すからだをなす–FRAC Grand Large収蔵作品セレクション」展示風景(2025年)©Nacása& PartnersInc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

本展は「社会的身体」をテーマに、ヨーロッパ、アメリカ、日本出身の13人のアーティストによる1973年から2025年までの作品を紹介。

タイトルはフランス語の「Faire Corps(一体となる・調和する)」に由来し、アートによってもたらされる日常や秩序の可変性に着眼しつつ、個人あるいは集団的に機能する社会的な身体を浮き彫りにする作品を考察していく。

Helen Chadwick | In the Kitchen | 1977 |アーカイヴからの12枚のシルバープリント ©Helen Chadwick –Collection FRAC Grand Large ―Hauts-de-France
André Cadere | Exhibition with Galerie des Locataires, Avenue des Gobelins, Paris, April 3-8, 1973 バラ板紙にシルバープリント Photo : Emmanuel WATTE ©Courtesy Succession André Cadere et Galerie Hervé Bize - Collection FRAC Grand Large ―Hauts-de-France
Ana Torfs | Sideshow | 2019 | Video| 39分( 無音、ループ) Photo: Ana torfs ©Adagp, Paris,- Collection FRAC Grand Large ーHauts-de-France
Nefeli Papadimouli | We Are Forests | 2021 | Video installation | 13 分43 秒 ©Nefeli Papadimouli- Collection FRAC Grand Large — Hauts-de-France
Tarek Lakhrissi | Hard to love | 2017 | Video |4 分 47 秒 © Adagp, Paris - Collection FRAC Grand LargeーHauts-de-France

身体と密接に結びついた芸術形式であるパフォーマンスとして、冒頭にロンドン出身の現代アーティスト Helen Chadwickのジェンダーを問う「In the kitchen」や、ワルシャワに生まれルーマニアで育ったAndré Cadereの「Round wooden bar(丸い木の棒)」など70sを代表する写真を紹介。

さらにベルギーを拠点とするメディアアーティスト Ana Torfsのビデオ「Sideshow(サイドショー)」や、芸術活動おけるカテゴリー間を自由に行き来するギリシャ出身のアーティストNefeli Papadimouliのコスチュームとビデオ作品「We Are Forests(森になる)」などを展開していく。

また、脆弱な身体を象徴的に扱うJesse DarlingやPaul Maheke、外国語と母国語の狭間を問うTarak Lakhrissi、そして技術と知の共有を媒介にした創作実践から作品を制作するロンドンのアートコレクティブ Åbäkeや大阪在住の笹原晃平の作品も展示し、多様な視点や行為が交差する場を形成する。

さらに、ダンケルクで短い生涯を終えたアーティスト Christine Deknuydtのドローイングは、描くことで痕跡が消滅するような実験的な態度で存在の境界を問いかける。

Christine Deknuydt | L‘effet miroir |制作年不明 |紙に混合顔料 Photo: Ludovic Linard | ©Arlette Deknuydt- Collection Frac Grand Large ― Hauts-de-France
Christine Deknuydt | Crocodile rouge | 1995 | Drawing |紙にチョーク、油彩、グラファイト Photo: Ludovic Linard | ©Arlette Deknuydt- Collection Frac Grand Large ― Hauts-de-France

ダンケルクの地域コレクションから、「身体」をキーワードに厳選された作品群。
さまざまなバックグラウンドを持つアーティストたちが銀座の地で繋がっていく。



GINZA MAISON HERMÈS LE FORUM
03-3569-3300



【Faire Corps / Selection from the collection of the FRAC Grand Large】
DATE:10月12日(日)まで開催中
※水曜休館
TIME:11:00am~7:00pm
※入場は6:30pmまで
PLACE:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階
ADDRESS:東京都中央区銀座5-4-1 
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/250719/

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