Top Photo:© Vesterhavet 2022
ノルウェーのAnders Emblem監督が、日常や社会との繋がりから心の居場所を見出していく主人公の姿を描いた「a human position(邦題:ヒューマン・ポジション)」が、9月14日(土)からシアター・イメージフォーラム他全国にて順次公開される。
病気の療養を経て新聞記者に復職した主人公 Astaは、地元のホッケーチームやアール・ヌーヴォー建築を保存するための小さなデモ、クルーズ船の景気などを、地元の人々に取材してニュースにしている。 そして彼女と共に暮らすガールフレンドのLiveは、デザインチェアの修復やキーボードの演奏、作曲をしており、2人は子猫が歩き回る家で料理を作ったり、古い映画を観たり、ボードゲームを楽しんだりと穏やかな時間を過ごしている。 ある日Astaは、10年間ノルウェーに住み、働いてきた難民のAslanが強制送還されたという記事を目にする。 事件を調べていくにつれ、Astaは自身を覆っていた無気力感を払拭し、仕事とプライベートの両方で自分が求める「心の居場所」を次第に見出していく。
監督を務めたのは、本作が長編2作目となるノルウェーの監督 Anders Emblem。 フィヨルドに囲まれた絵画のように色彩豊かな風景が広がる、「ノルウェーで最も美しい街」と称されるAndersの故郷 オーレスンを舞台に、写真集をめくるように優しく美しい筆致で情緒や日常が描かれた。
Andersは、自身のインスピレーション源に映画監督のRobert Bressonと小津安ニ郎を挙げており、劇中でも柔道着や着物を着る姿、囲碁を打ったり箸を使って食事したりする場面が登場した。 日本文化に囲まれながら描かれる2人の機微を愛でるように静かに見守るプロセスは、鑑賞者を安らかな気持ちに導いてくれる。
夢のような時間がゆっくりと流れる、ノルウェーの街と1つの暮らし。 まどろむ静寂と優しい映像が、深い呼吸と余韻をもたらす。 CRÉPUSCULE FILMS crepuscule-films.com 【a human position】 RELEASE DATE:9月14日(土) ※シアター・イメージフォーラム他全国で順次ロードショー WEBSITE:position.crepuscule-films.com
アニエス・ヴァルダによるジェーン・バーキンの肖像
フランスの地で織り成される眩く儚い8つの物語
能登の地で描かれた、ある女性の喪失と再生
没後15年に蘇る、ヤスミン・アフマドの最高傑作
今週のおすすめアート
服をまとう喜びと情熱を見つめ直す
ドイツと江戸文化の親和性を探る歴史的個展
都会に咲くさまざまな春
田中雅也による初の写真集「Duality」が「Lula BOOKS」より発売
春光を浴びて色めく杉咲花と「NARS」の多彩な共演
最新号の内容を紹介
スペシャルムービーが伝える最新号の物語
「ISSEY MIYAKE」が伝える紙と草花の美しさ
優美な動きに映る「CHROME HEARTS」の洗練されたスピリット
春風と「THE ROW」が描く麗らかな姿
独創的な色彩の幻想世界で紡がれる、少女の自己受容
日常に寄り添うプリーツウェア
柔らかな光で捉える、日常に寄り添うエレガンス
人間性とは何かを問う4プログラム