Tsuguharu Foujita

Top Photo:藤田嗣治《市街 バスの前の人々》1955年 東京藝術大学所蔵
Top Photo:ドラ・カルムス《藤田》1927年 東京藝術大学所蔵

Tsuguharu Foujita

絵画と写真が紡ぐ表現の軌跡

エコール・ド・パリを代表する画家 藤田嗣治の展覧会「藤田嗣治 絵画と写真」が、東京ステーションギャラリーで8月31日(日)まで開催中。

藤田嗣治《子供2人》1955年 東京藝術大学所蔵

乳白色の下地に描かれた絵画で知られ、20世紀前半のパリで独自の存在感を放った藤田嗣治。
彼は画家であると同時に、自らカメラを構える撮影者でもあった。

本展は、「絵画と写真に作られた画家」、「写真が作る絵画」、「画家が作る写真」の3つの視点を軸に、画家と写真の関係を立体的に捉える構成となっている。

ドラ・カルムス《藤田》1927年 東京藝術大学所蔵

藤田は、おかっぱ頭に丸メガネ、口元の髭、ユニークな服装、傍らの猫といった特徴的な外見に加え、自画像や肖像写真を繰り返し発信することで、「見られたい自分」を築いたセルフブランディングの先駆者であった。
そのイメージは幾度となく再生産され、ひとつのメディア戦略として時代を超えて記憶に刻まれてきた。

一方で、旅先では写真をスケッチの代わりに用い、各地の風景や人々の姿を記録。
そこに写り込んだ細部は切り取られ、絵画作品へと転用した。

藤田嗣治《市街 バスの前の人々》1955年 東京藝術大学所蔵

さらに、写真家としての藤田の眼差しにも注目。
ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジアなど世界各地を写した作品は、絵画とは異なる魅力を放つ。

日本とフランスに残された数千点の中から、厳選した写真作品を展示。
絵画と写真という2つの行為を往還した藤田の眼差しを辿り、これまでにない角度から彼の魅力を体感できる貴重な機会となっている。


絵画と写真の境界を行き来した芸術家の軌跡。
彼の目が捉えた、時代と自己の像を辿って。



TOKYO STATION GALLERY
03-3212-2485



【Foujita: Painting and Photography】
DATE:8月31日(日)まで開催中
※月曜、8月12日(火)休館
※ただし8月11日(月・祝)、8月25日(月)は開館
TIME:10:00am〜6:00pm
※金曜日は8:00pmまで
※入館は閉館30分前まで
PLACE:東京ステーションギャラリー
ADDRESS:東京都千代田区丸の内1-9-1
ADMISSION:一般 ¥1,500、大学生・高校生 ¥1,300
※中学生以下無料
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE:www.ejrcf.or.jp/gallery/

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