Masahisa Fukase

Top Photo:©深瀬昌久アーカイブス

Masahisa Fukase

私写真の先駆者が眼差しを向け続けたミューズ

日本を代表する写真家 深瀬昌久の展覧会「洋子/遊戯」が、フジフイルム スクエア 写真歴史博物館にて9月30日(火)まで開催中。

©深瀬昌久アーカイブス

1934年、北海道中川郡美深町に生まれた深瀬昌久は、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、1968年に写真家として独立。
1974年にはニューヨーク近代美術館で開催された日本写真の企画展「New Japanese Photography」に出展し、以降も世界各国の展覧会に数多く参加した。

2012年、享年78歳で逝去したのち、2014年に深瀬昌久アーカイブスが設立され、これまでに世界8都市での回顧展開催、13冊の新刊写真集の刊行など、没後も評価が高まっている。

©深瀬昌久アーカイブス

60sから70sにかけて、それまでの文脈にはない新しい表現を生み出す写真家たちが多く出現した日本において、徹底的に「私性」を追求した深瀬。
家族、愛猫、そして自分自身と、常に緊密な関係性の中で写真を撮り続けた彼は、日本独自の表現といわれる「私写真」の先駆者として、日本の現代写真史に比類ない足跡を残した。

代表作「鴉」は日本写真の金字塔として世界的に高い評価を獲得している。

©深瀬昌久アーカイブス
©深瀬昌久アーカイブス

彼の創作の軌跡を語る上で欠かすことができないのは、1963年の出会いの翌年に結婚した洋子という女性。

深瀬は彼女を10年以上にわたり撮り続け、執拗ともいえるカメラが介在した私生活を理由として1976年に結婚生活は終焉を迎える。
その2年後、深瀬は写真集「洋子」を出版している。

本展では、2人が出会った1963年に東京・芝浦の屠場を舞台に深瀬お手製の黒マントをまとった洋子を捉えた、没後初発表となるヴィンテージプリント33点を展示。
自身の存在と写真表現を追求し続け、「自分のテーマはいつも身辺、手で触れられるものから始まる」と語った深瀬の作品は、鑑賞者それぞれに自己と他者、そして写真の本質について問いかける。

©深瀬昌久アーカイブス

世界に名を馳せた写真家の愛と情動。
深瀬の心を捉え続けた、洋子という表現者の影を追って。



FUJIFILM SQUARE
03-6271-3350



【Masahisa Fukase Photo Exhibition: Yoko / Homo Ludens】
DATE:9月30日(火)まで開催中
TIME:10:00am~7:00pm
※入館は閉館10分前まで
※最終日は4:00pmまで
PLACE:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
ADDRESS:東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウェスト1階
ADMISSION FREE
WEBSITE:fujifilmsquare.jp/exhibition/250701_05.html

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