TOP Collection: The Illumination of Life by Death

Top Photo:マリオ・ジャコメッリ 〈やがて死がやってきてあなたをねらう〉より 1954-1968年頃 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
Courtesy Archivio Mario Giacomelli © Rita e Simone Giacomelli

TOP Collection: The Illumination of Life by Death

写真表現に込められた「生きることの意味」

18作家の作品から「メメント・モリ」と写真の関係性を考察する「TOPコレクション メメント・モリと写真―死は何を照らし出すのか」が、東京写真美術館にて9月25日(日)まで開催中。

藤原新也《死のとき、闇にさまようか光に満ちるか心がそれを選びとる》〈メメント・モリ〉より 1972年 発色現像方式印画 東京都写真美術館蔵 ©Shinya Fujiwara

東京写真美術館の36,000点余りの収蔵作品の中から、選りすぐりの名作を紹介するTOPコレクション展。

「メメント・モリ」をテーマとする今展では、人々が死とどう向き合い生き抜いてきたかを、死の図像を描いた版画作品や、Eugène AtgetやW. Eugene Smith、Robert Frank、Mario Giacomelliといった19世紀から現代を代表する写真作品約150点から探る。

マリオ・ジャコメッリ 〈やがて死がやってきてあなたをねらう〉より 1954-1968年頃 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
Courtesy Archivio Mario Giacomelli © Rita e Simone Giacomelli

「メメント・モリ(Memento mori)」は、ラテン語で「死を想え」を意味し、キリスト教世界では人々の日常が常に死と隣り合わせであることを示す警句として用いられた言葉。

ペスト(黒死病)が大流行し、伝染病や戦争、飢餓といった困難の多い時代であった中世期、骸骨と人間が踊る様子を描いたイメージ「死の像」と強く結びつき、絵画や音楽などの芸術にも影響を与えた。

ヨゼフ・スデック《身廊と下側の眺め、聖ヴィート大聖堂の新しい部分の南側》〈聖ヴィトゥス〉より 1928年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

章立ては、「メメント・モリと写真」、「メメント・モリと孤独、そしてユーモア」、「メメント・モリと幸福」の3章で構成され、死を想起させるメディアであることが多くの写真論の中で言及されてきた写真と「メメント・モリ」との関係性を多角的に考察。

さらに序章として、「死」のイメージとして名高いHans Holbein the Youngerによる約500年前の版画作品「死の像」も展示される。

ハンス・ホルバイン(子)『死の像』より 《金持》 (試し刷り) 1523-26年頃 木版 国立西洋美術館蔵

人生の終幕から見つめる、生きることの意味。
写真表現に通底する「メメント・モリ」が、混沌の中で生と向き合うための光となる。



TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM
03-3280-0099




【TOP Collection: The Illumination of Life by DeathーMemento mori&Photography】
DATE:9月25日(曜日)まで開催中
※月曜休館
※ただし、月曜が祝休日の場合は開館、翌平日休館
TIME:10:00am~6:00pm
※木曜、金曜は8:00pmまで
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:東京写真美術館 2階展示室
ADDRESS:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
ADMISSION:一般 ¥700、学生 ¥560、中高生・65歳以上 ¥350
※小学生以下無料
WEBSITE:topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4278.html

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