Ikko Narahara

Top Photo:奈良原一高「Fashion」、1964年、ゼラチン・シルバー・プリント、 25.1 x 17.8 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of amanaTIGP
Top Photo:奈良原一高「海を渡る馬」、1961年、ゼラチン・シルバー・プリン ト、24.9 x 19.9 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of amanaTIGP

Ikko Narahara

60sファッション写真に躍動する芸術表現

日本の写真界を牽引し、2020年に逝去した写真家 奈良原一高の個展「Fashion」が、amanaTIGPにて3月11日(土)まで開催中。

奈良原一高「Fashion」、1964年、ゼラチン・シルバー・プリント、 25.1 x 17.8 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of amanaTIGP

1931年に福岡県で生まれ、青年期に写真の撮影を始める傍ら芸術や文学などにも関心を寄せていた奈良原一高。
中央大学法学部を卒業後は早稲田大学大学院芸術専攻修士課程に入学し、1955年には新鋭画家のグループである「実在者」に参加した。

さらに池田龍雄や河原温といった芸術家や瀧口修造などとも交流を深めていった彼は、1959年に東松照明や細江英公らと共にセルフエージェンシー「VIVO」を設立。

その後もパリやニューヨークに拠点を移しながら世界各地を取材し、展覧会開催や写真集出版を多数行う中で国際的にも高い評価を確立した。

奈良原一高「海を渡る馬」、1961年、ゼラチン・シルバー・プリン ト、24.9 x 19.9 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of amanaTIGP

本展では、60sに雑誌を主な発表媒体として制作された奈良原のファッション写真のうち18点を展示。

かつてファッション写真を「文明批評」と語った彼が、モードを社会に生み出すべく作り上げたスタイルブックとしてのイメージには、それぞれ時代の絢爛さが瑞々しく刻印されている。

その一方で、布地の流動性に呼応するかのように躍動感を伴う実験的な構図や技法を試みた芸術的表現も見受けられ、ファッション写真に新しい眼差しを向けた独自の探究心が垣間見える。


奈良原の心を捉えた、ファッション写真という芸術。
生身の人間とモード、写真家のアイデアが交差し、新鮮な造形表現が花開く。



AMANATIGP
03-5575-5004




【Ikko Narahara “Fashion”】
DATE:3月11日(土)まで開催中
※日曜、月曜、祝日定休
TIME:12:00pm~7:00pm
PLACE:amanaTIGP
ADDRESS:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2階
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.takaishiigallery.com/jp/archives/28437/

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