Top Photo:《パラドキシカルポートレート》(2023) キャンバスに油彩、H162xW130.5cm 撮影:坂本理 © Erina Matsui, Courtesy of ANOMALY
アーティスト 松井えり菜の個展「アストラル・ドリーマー」が、ANOMALYにて7月20日(土)から9月7日(土)まで開催される。 滑稽な表情や極端にデフォルメした顔など、「変顔」と呼ばれる自画像で知られる松井えり菜。 2004年にGEISAI#6で金賞を受賞した後デビューし、以後自画像やその絵画史、自己の作品のルーツについて考察を続け、制作・発表をしてきた。 今年市原湖畔美術館で開催された「市原湖畔美術館子ども絵画展」では、ゲストアーティストとして子どもと共に新作を発表するなど、精力的な活動を展開している。
松井にとっての絵画制作とは、現実では叶わない理想郷を自由に構築できる場であり、スペクタクルな宇宙空間と日常の自分自身との対比など、スケールの大きな世界を描くことのできる手段としてあり続けてきた。 少女漫画やアニメから大きな影響を受け、ブロンドの少女や西洋文化に強く惹かれてきたという彼女は、そうした憧れの対象に変身するような自画像の一方で、多くは変顔と呼ばれる自分の滑稽さを素材にした顔をキャンバス上に体現してきた。
近年はパリに赴き制作を進める中で、何を描いて何を描かないかを改めて考察し、描かなかったことで広がる無限空間に着目するように。 巧みさに通じるリアリズムから距離を置き、少女漫画のような素敵な自分ではなく、朝起き抜けで髪の乱れた自身のリアリティを描くことで、鳥瞰する視点が絵画に現れるようになったという。 歳を重ね、自身とその中の少女性が乖離していく実感を伴った今回の彼女の作品では、描かないことで現れる世界と他者の視点が展開される。 本展のタイトルである「アストラル・ドリーマー」は、幽体離脱し、夢、時には悪夢という現実の中にさまざまな自分がいる、といった意味合いの造語でもある。 また7月20日(土)には、松井と東京都現代美術館の学芸員 西川美穂子によるトークイベント「ハレとケ、映えと毛」が開催される。 作家が年齢を重ねる中で獲得した、俯瞰的な視点。 ありのままの姿が描かれた自画像に、自己をめぐる意識の変遷を感じて。 ANOMALY 03-6433-2988 【Erina Matsui “Astral Dreamer”】 DATE:7月20日(土)~9月7日(土) TIME:12:00pm~6:00pm ※月曜、日曜、祝日休廊 ※8月11日(日)~19日(月)まで夏季休廊 PLACE:ANOMALY ADDRESS:東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex4階 ADMISSION FREE WEBSITE:anomalytokyo.com/exhibition/astral_dreamer/ ※辰野登恵子展が同時開催 【Erina Matsui × Mihoko Nishikawa Talk Event】 DATE:7月20日(土) TIME:4:00pm~5:30pm PLACE:ANOMALY ADDRESS:東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex4階 ADMISSION FREE
詩と写真で紡がれた、震災後の風景
写真が示す、過去の葛藤から獲得した心象風景
対話や探索を通して生まれた2人の作品
カンナの花が象徴する平和への願い
ニューヨークで描いた、10代の自分に捧げる物語
異素材を編み込んだ、新鮮な作品群
ソフトなシアリングで包み込む、華やかなサンダル
エレガンスに遊び心を添えた甘美なコラボレーション
写真家が探し求める、穏やかなユートピア
伝統技術で織り成す、現代的なウェア
ウェス・アンダーソン作品を想起させる、冒険心あふれる風景
今秋のフェスティバルで注目の6展示
感情と記憶を呼び起こす、安らぎの空間
強い意志が導く羽化の過程
10周年を祝した記念号が発売
Lula Japan編集部に聞いた思い出の1枚
2つのクラフツマンシップが鮮やかに輝く腕時計
軌跡と進化が織り成す「MACKINTOSH」2024年秋冬コレクション
横浪修の作品集「Assembly Teshikaga」が「Lula BOOKS」より発売
Lula Japan最新号をさらに楽しむために読みたい3冊
「CHROME HEARTS」が魅せる、シルバーの内なる美学
クラシックと遊び心が出合った、上質な新作