Mark Manders

Top Photo:マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp Photo: Peter Cox / Bonnefanten
Top Photo:マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》2017-19年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo Photo: Maris Hutchinson

Mark Manders

虚実の空間へと誘う、建物としての自画像

オランダ出身の現代アーティスト Mark Mandersの国内の美術館では初となる個展「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」が、東京都現代美術館にて6月1日(火)から完全予約制で再開、6月22日(火)まで会期が延長される。

マーク・マンダース《黄色と青のコンポジション》2014-18年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp  Photo: Peter Cox
マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》2017-19年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo Photo: Maris Hutchinson

1968年にオランダ・フォルケルで生まれ、現在はベルギーのスタジオを拠点に現代のアートシーンで独自の位置を占めるMark Manders。

18歳の時、自伝的な要素を含む小説執筆の試みを契機に得たという「建物としての自画像」という構想に沿いながら、30年以上にわたって一貫した制作を続けてきた。

自身が架空の芸術家として名づけた「Mark Manders」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというこの構想は、その部屋に置くための彫刻やオブジェを生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を築き上げる、極めて大きくユニークな枠組みで繰り広げられている。

マーク・マンダース スタジオ風景
マーク・マンダース Photo: Cedric Verhelst

今展は、展示全体を1つの作品として、Manders本人によって構想されたもの。

過去の美術史や私的な記憶に基づく個々の作品は、すべて想像の建物の一部を成すものとして現れ、作家であるMandersと架空の芸術家 Mandersの自画像とが混交しながら消失・生起し、鑑賞者を虚実の空間へと誘う。

そして「凍結した瞬間」と彼が呼ぶ、ある1つの瞬間ですべてが停止したようなその作品世界は、一方で朽ちることのない不変への憧憬をも呼び起こし、強い印象を残すものとなっている。

マーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》2011-15年 東京都現代美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo
マーク・マンダース《狐 / 鼠 / ベルト》1992-93年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo
マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp Photo: Peter Cox / Bonnefanten

虚構的な枠組みの中で築かれた、空前絶後のセルフポートレート。
時間が凍結したような静謐な空間が、思索と内省の機会を呼び寄せる。



HELLO DIAL 050-5541-8600



【The Absence of Mark Manders】
DATE:3月20日(土・祝)〜6月22日(火)
※6月1日(火)より再開
※再開後、会期中無休(休館日も臨時開館)
※完全予約制
TIME:10:00am~6:00pm
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:東京都現代美術館 企画展示室3階
ADDRESS:東京都江東区三好4-1-1
ADMISSION:一般 ¥1,500(税込)、大学生・専門学校生・65歳以上 ¥1,000(税込)、中高生 ¥600(税込)
WEBSITE:www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mark-manders/

SHARE