2019年の渡独以降、自身の自然観の源流を辿り、さまざまな写真的技法を通して風景写真にアプローチしてきた白石晋一朗。

ベルリンや旅先で訪れた土地で匿名性や共通性を持つイメージを収集し、人工物も自然物も同じように自然を形成するものであるという考えのもと、無意識の内に作られた風景への触感を明らかにしようとしてきた。

今展は、彼の2冊目の写真集「Portrait of an Island/ある島の肖像」の出版に合わせて開催される自身初の個展。

作品は2021年2月に1ヶ月間滞在した「ある島」で撮影されたもので、彼が影響を受けてきた地理学者 Augustin Berqueの風景論の解釈を写真に引用し、風景という被写体そのものが主体性のある「肖像」になり得ることを示している。

歪んでディティールを失った写像は、白石の写真的特徴である匿名性を帯びながら、極めて写真的な瞬間性を保つことによって風景を獲得しているとも言える。

無意識的に捉えられたイメージに浮かび上がる、ランドスケープの主体性。
肖像としての風景写真が、1つの可能性を提示する。



MIDORI.SO GALLERY
midori.so/midoriso_gallery



【Shinichiro Shiraishi “Portrait of an Island“】
DATE：5月14日（日）まで開催中
※5月1日（月）休廊
TIME：12:00pm～8:00pm
PLACE：MIDORI.so GALLERY
ADDRESS：東京都目黒区青葉台3-3-11 3階
ADMISSION FREE
WEBSITE：www.instagram.com/p/CrIi3CoSuTi/