Tom Sachs

Top Left Photo:Tom Sachs トム・サックス, Angus, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
Top Right Photo:Tom Sachs トム・サックス, Methuselah, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

Top Photo:Tom Sachs トム・サックス, Angus, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

Tom Sachs

彫刻として表現されたユニークな茶碗

ニューヨークを拠点に活動するアーティスト Tom Sachsの展覧会「茶碗」が、小山登美夫ギャラリー六本木にて5月13日(土)まで開催中。

Tom Sachs トム・サックス, Ulysses, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
Tom Sachs トム・サックス, Angus, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

1966年にニューヨークで生まれ、 90sよりモダニズムやアイコンとなるデザインからインスパイアされたユーモラスな作品を制作し続けているTom Sachs。

自身のスタジオでは、簡素な素材を用いながら実用的な立体作品が組み込まれたパラレルワールドを作り上げ、彼と彼のスタジオによるインタラクティブなプロジェクトも展開してきた。

さらに陶芸に対する強い関心を抱き、2012年からの2年間は陶芸作家のJJ Peetの下で集中的に修練して制作と研究に没頭。
以来、手びねりによる茶碗は彼の日々の制作活動の一部となり、これまで磁器やストーンウェアを含むさまざまな陶磁器の種類や複数の焼成技法を身につけてきた。

Tom Sachs トム・サックス, Psycho, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

2019年に同ギャラリーで開催された「Smutshow」に続く今展では、新作の陶芸作品と彫刻を展示。
彼の茶碗は、16世紀に豊臣秀吉によって日本へ連れ去られた中国渡来の陶工 長次郎の作品をフォルムの原型としており、ろくろを使わず手で成形するという伝統的な手法を用いている。

そこには「機械化された回転のプロセスは、あらゆる情報を1か0で扱うデジタルの世界にあまりにも似ていて、創造の経験から人間性を疎外してしまう」というSachsの考えが表れている。

一方でSachsは、単に古い技法を模倣するだけでなく、独自のブリコラージュの手法を陶芸に応用し、自身が子ども時代に使っていたテレビの中に新しい茶碗を入れ、スイッチによって彫刻を照らすといった展示方法によって、意味を転覆させるような試みも行っている。

Tom Sachs トム・サックス, Carol, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
Tom Sachs トム・サックス, Methuselah, 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

ユニークな創造性を生み出す、伝統と実験のたわむれ。
Sachsの言う「完璧な欠陥」を有した、新たな茶道の世界を体験して。



TOMIO KOYAMA GALLERY
03-6434-7225




【Tom Sachs “CHAWAN”】
DATE:5月13日(土)まで開催中
※日曜、月曜、祝日休廊
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:小山登美夫ギャラリー六本木
ADDRESS:東京都港区六本木6-5-24 complex665 2階
ADMISSION FREE
WEBSITE:tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sachs2023/

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