KG+ 2025

Top Left Photo:Riti Sengupta 《Things I Can't Say Out Loud》©︎Riti Sengputa
Top Right Photo:横浪修 《心緒 ( A Feeling)》©️Osamu Yokonami

Top Photo:Riti Sengupta 《Things I Can't Say Out Loud》©︎Riti Sengputa

KG+ 2025

「KYOTOGRAPHIE」サテライトイベントから、注目の3コンテンツ

国際的写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」のサテライトイベント「KG+ 2025」が、京都市内各所にて5月11日(日)まで開催中。


年齢、キャリア、国籍を問わず誰もが参加でき、毎年プロフェッショナルからアマチュアまで多数のアーティストが集う「KG+」。
アーティスト、キュレーター、ギャラリー、美術館、教育文化期間などが自ら企画・主催し市内各所で開催する展覧会は、地域と訪れる人々をアートによって繋げ、新たな発見や交流を生み出してきた。

また、写真展のみならず、ワークショップ、トーク、専門家による連続レクチャー、フォトブックフェアなども会期中複数にわたって開催。

参加アーティストに情報発信の機会を提供することで、彼らと国内外のキュレーターやギャラリストが出会う場ともなっている。

今年、過去最多となる150を超える展覧会の中から、Lula Japan Webが注目する3つの展示をご紹介。

1. Exhibition|A02. KG+SELECT 2025|Riti Sengupta

Riti Sengupta 《Things I Can't Say Out Loud》©︎Riti Sengputa
Riti Sengupta 《Things I Can't Say Out Loud》©︎Riti Sengputa

写真家 Riti Senguptaによる展覧会「Things I Can't Say Out Loud」が、堀川御池ギャラリーにて5月11日(日)まで開催中。

「KG+SELECT」は、世界中から集まるエントリーの中から審査員の選考を経て選ばれた10名のアーティストによるコンペティション型展覧会。
10名のファイナリストは、会場や製作費の支援を受け、展覧会を開催する。

それぞれの展覧会は国際的に活躍するキュレーターやギャラリストらによって審査され、10名の中から1名が選出される「KG+SELECT Award」では、アワード受賞者が奨励金を受けて翌年の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」にて展覧会を開催できる。

今年のファイナリストの1人、Riti Sengupta は1993年に生まれ、インド・カルカッタを拠点に活動する写真家。

パンデミックをきっかけに両親と再び同居するようになった彼女は、日々の暮らしの中で、家父長制の構造が家族に大きく作用している事実に直面する。
そして母親と共に家族のアーカイブを調べ、自分より先に生まれた女性たちの話に耳を傾けるなど自身が「kitchen conversations(キッチン・カンバセーションズ)」と呼ぶ一連の活動を通して、家父長制は日常の些細な仕草の中に存在し、女性たちは母親や妻になる前後で対照的な生活をしていることを知っていく。

妻として、母として、娘として課される家事の負担や、無条件に与える者として美化された女性の役割。
母と娘の会話は、2人がそれぞれの現実を振り返る共同パフォーマンスとなる。

2. Exhibition|FOR COLLECTORS 02| Rinko Kawauchi × Masatake Shinohara

川内倫子, Inhabiting Light(Untitled), 2019 ©︎Rinko Kawauchi

写真家 川内倫子と哲学者 篠原雅武による展覧会「Inhabiting Light」が、MtK Contemporary Artにて5月3日(土・祝)まで開催中。

今展は、「光」を主題とした新作「光に住み着く Inhabiting Light」の刊行を記念して開催される展覧会。

本書は、哲学や思想を研究する哲学者 篠原雅武が記した文章に対し、川内倫子が写真で返信し、そこに篠原が文章で応答するといったダイアローグで構成される。

篠原は書く際に、「写真で重要なのは何を撮るかではなく、いかにして撮るか、である」という川内の言葉に何度も立ち返ったという。
そしてあとがきに、「やりとりを続けつつ私は、写真への応答において問われるのは、出来事が起こるところ、つまりは現実の発生源のような次元に思考を向けていくことではないかと考えるようになった。その次元は、私たちの日々の生活が営まれる、日常世界の表層の奥底にある」と綴っている。


展覧会では、こうした2人のダイアローグが平面作品、さらにスライド作品に展開される。
文章と写真の相互作用から、物事の根源と「光」の深層を探して。

3. Exhibition|PICK UP 47| Osamu Yokonami

横浪修 《心緒 ( A Feeling)》©️Osamu Yokonami

写真家 横浪修による展覧会「心緒」が、haku kyotoにて5月5日(月・祝)まで開催中。

東京を拠点に、国内外問わずファッションや広告の分野で活躍しながら、個人制作にも精力的に取り組んできた横浪修。
これまでに「100 Children」や「1000 Children」、「Assembly」シリーズなど数多くの写真集も刊行している。

「心緒」と題された本展では、日常に潜む些細な瞬間や当たり前の存在の儚さを捉えた作品を発表。
普段は意識されない、見慣れた存在がいつの間にか遠くに感じられる瞬間、日常の自然な成り行きの中でほころび始め、欠落するものへの感覚。
「なんかざわついてシャッターを切る」と語る彼の写真制作は素直な衝動から生じており、儚さに惹かれ、忘れ去られる前に一瞬を捉え続ける行為でもある。

見逃されがちな特別な一瞬への気づきを促し、見る者の「心」に問いかける作品群。
タイトルには、心の奥底で揺れる感情や思いの糸という意味が込められる。

写真表現を核に、あらゆる人に開かれたプラットフォーム。
多彩で新たな表現の数々が、京都の地と訪れる人々を繋いでいく。



KG+

kgplus.kyotographie.jp/



【KG+2025】
DATE:5月11日(日)まで開催中
※展覧会によって会期が異なります。

WEBSITE:kgplus.kyotographie.jp/
※その他詳細情報は、KG+のウェブサイトをご確認ください。

【A02. KG+SELECT 2025 Riti Sengupta “Things I Can't Say Out Loud” Supported by SIGMA】
DATE:5月11日(日)まで開催中
※月曜定休
TIME:11:00am~6:30pm
※入場は6:00pmまで
PLACE:堀川御池ギャラリー 1階
ADDRESS:京都府京都市中央区押油小路町238-1
ADMISSION FREE
WEBSITE:kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2025/riti-sengupta/

【FOR COLLECTORS 02 Rinko Kawauchi × Masatake Shinohara “Inhabiting Light”】
DATE:5月3日(土・祝)まで開催中
※日曜定休
TIME:10:00am~6:00pm
PLACE:MtK Contemporary Art
ADDRESS:京都府京都市左京区岡崎南御所町20-1
ADMISSION FREE
WEBSITE:kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2025/rinko-kawauchi-masatake-shinohara/

【PICK UP 47 Osamu Yokonami “A FEELING”】
DATE:5月5日(月・祝)まで開催中
※火曜、水曜、木曜、金曜定休
※ただし5月2日(金)は開廊
TIME:1:00pm~7:00pm
PLACE:haku kyoto
ADDRESS:京都府京都市下京区中之町566 haku 1階
ADMISSION FREE
WEBSITE:kgplus.kyotographie.jp/exhibitions/2025/osamu-yokonami/

SHARE

PICK UP