CHOREOGRAPHIES OF THE EVERYDAY

Top Photo:ジョナタス・デ・アンドラーデ《Jogos Dirigidos (Directed Games)》2019年

CHOREOGRAPHIES OF THE EVERYDAY

鑑賞者を含めて再考し、異化される「日常」

国内外で活動する幅広い世代のアーティスト約30名/組の実践を紹介する展覧会「開館30周年記念展 日常のコレオ」が、東京都現代美術館にて11月24日(月)まで開催中。

上原沙也加《眠る木》2018年

アーティスト、そして鑑賞者と共に現代美術の分野からこれからの社会を多角的に思考する、プラットフォームの構築を目的として開催されている本展。
アジアを中心に、15を超える国と地域を拠点に活動するアーティスト約30名/組が一堂に会す機会となる。

タイトルに含まれる「コレオ=コレオグラフィー(振付)」は、制度や慣習、社会的規範によって規定される言動と、そうした管理や統御に対する批評的な応答、つまり日常を自らの内外から異化し、新たな場と生き方を創出する実践の双方のことを指し示している。

鑑賞者の参加と対話を伴うパフォーマンスやワークショップを数多く含む展示内容を通して、ジェンダー規範に基づく家庭から美術館のような制度的空間、ムンバイや沖縄などの都市空間に至るまで、異なる場所における人々の営みや身振りに着目し、変容をもたらす主体性の現れを探求していく。

ジョナタス・デ・アンドラーデ《Jogos Dirigidos (Directed Games)》2019年
佐々木健《ゲバ棒、杖、もの派の現象学、または男性性のロールモデルについてのペインティング》2024年
撮影:加藤健

東京でのリサーチをもとに制作された新作も多数含む展示作品は、人々が日常を織り成す場所に内在する文化的、政治的、経済的諸力の相互作用を掘り下げながら、しばしば社会構造に組み込まれた見えない暴力や抑圧の力学を可視化。

同時に、そこに生きる人々の経験、記憶、切望に光を当て、従属を拒み逸脱する抵抗の身振りと、それを生み出す創造性やユーモアについての洞察を深めていく。

トランスフィールドスタジオ《Elevation, Stream》2024年 ©Hyejeong Park ※参考写真
カレル・ファン・ラーレ《Contact》2024年 撮影:Alex Heuvink

会期中には、東京を拠点に活動する植村真によるツアーパフォーマンス「夢の街」が10月3日(金)から5日(日)、10日(金)から12日(日)まで開催される。また、沖縄県を拠点とする大和楓によるパフォーマンス・アクティベーションワークショップ「仰向けで背負う」が10月25日(土)と26日(日)に行われる。

10月28日(火)から11月3日(月・祝)には今宿未悠、Soh Souen、髙橋莉子、髙橋凜、山田響己によるパフォーマンス「うろつきミーティング」、11月8日(土)と9日(日)にはムンバイを拠点とし協働を軸に活動するスタジオ CAMPの作品を辿るツアー「読む・聴く・見る——ボンベイは傾く」が開催。そして11月11日(火)から16日(日)には2015年に結成され、インドネシア・ジョグジャカルタを拠点とするBakudapan Food Study GroupによるZINE制作ワークショップ「スパイスの語り、空間(スペース)の手ざわり」が行われる。

ヒーメン・チョン&ルネー・スタール《読まれなかった本のライブラリー》 Installation view: Serpentine Pavilion 2024, Archipelagic Void, designed by Minsuk Cho, Mass Studies
撮影:Heman Chong ©Mass Studies ※参考写真
青山悟《Embroiderers (Dedicated to unknown Embroiderers) #7》2015 年 撮影:宮島径
©AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

鑑賞者を巻き込み、身体的知覚や空間的関与を通して育まれる未来への視座。
それぞれの立場が共有され、「日常」が問い直されていく。



MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
03-5245-4111



【MOT’s 30th Anniversary Exhibition Choreographies of the Everyday】
DATE:11月24日(月)まで開催中
※月曜、10月14日(火)、11月4日(火)休館
※ただし10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・祝)は開館
TIME:10:00am~6:00pm
※9月の金曜は9:00pmまで
※入場は閉館の30分前まで
PLACE:東京都現代美術館
ADDRESS:東京都江東区三好4-1-1
ADMISSION:ADMISSION:一般 ¥2,100、大学生・専門学校生・65歳以上 ¥1,100、中高生 ¥500、ツインチケット ¥3,500
※小学生以下無料
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE:www.mot-art-museum.jp/exhibitions/30th-Anniversary/

【Makoto Uemura Tour Performance “Dream City”】
DATE:10月3日(金)~5日(日)、10日(金)~12日(日)
※要事前予約

【Kaede Yamato Performance & Activation workshop “Carried and Carrying”】
DATE:10月25日(土)~26日(日)

【 Mew Imasyuku, Soh Souen, Takahashi Riko, Rin Takahashi, Hibiki Yamada Performance “Loitering Meeting”】
DATE:10月28日(火)~11月3日(月・祝)

【CAMP tour of the work “Reading, Listening, Seeing - Bombay Tilts Down”】
DATE:11月8日(土)~9日(日)

【Bakudapan Food Study Group zine making series “Retelling Spices, Sensing Spaces”】
DATE:11月11日(火)~16日(日)

※各イベントの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。

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