Chikashi Suzuki

Chikashi Suzuki

ジャンルの狭間を軽やかに行く写真作品

写真家 鈴木親の展覧会「体(たい)と用(ゆう)」が、flotsam booksにて4月24日(日)まで開催中。

多様化する写真というメディアに正面から向き合い、独自の立ち位置で現代日本を代表するフォトグラファーの1人として活躍する鈴木親。

90sに渡仏し、雑誌 Purple Magazineで写真家としてデビューを果たして以降、i-D MagazineやDazed and Confusedといった雑誌や、「GUCCI」や「ISSEY MIYAKE」といったブランドのキャンペーンなど、エディトリアルやファッションフォトグラフィーの最前線で表現を続けてきた。

今展では、ファッション写真やギャラリーなどでのコンセプトのある展示とはまた違った、エディトリアルとスナップの間、パーソナルな作品とファッションフォトグラフィーの間に位置するような、軽やかで遊び心のある作品を披露。

鈴木はそうした今回の展示に寄せ、次のように言葉を綴っている。

「データが印画紙の代わりに写真と呼ばれるようになったのはいつからだろうか。
iPhone登場以前のカメラ機能の付いた携帯電話の登場で写真がデータとして頭の上を飛ぶようになったのが始まりだろうか。
それ以前は必ず撮影したものは紙と一体になって写真と呼ばれてた。
プリントの見本として焼かれたサービスプリントを整理している時にそんなことを考えながら、flotsamの展示を決めた。

世界堂やIKEAの安い額装だが、紙の写真として額が付くことで廉価版として扱われたサービスプリントが本来の写真らしくなった。

映画の登場からずっと終わったと言われてきた写真だが、立場を変えしぶとく生き残ってこれたのは紙という物質化したことで多少の永遠性を手に入れたからかもしれない」

イメージの渦の中に残る、物質性を持った写真作品。
ジャンルの間隙を縫うような、鈴木の表現の新たな一面を目に焼きつけて。



【Chikashi Suzuki “体(たい)と用(ゆう)”】
DATE:4月24日(日)まで開催中
※水曜定休
TIME:2:00pm~8:00pm
PLACE:flotsam books
ADDRESS:東京都杉並区和泉1-10-7
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.flotsambooks.com/

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