Top Photo：SOPHIE CALLE, Take care of yourself. Schoolgirl, Ambre / Prenez soin de vous. Elève de CM2, Ambre, 2007 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & SACK, Seoul, Courtesy of the artist and Perrotin
Top Photo：SOPHIE CALLE, Souris défunte, 2018 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & SACK, Seoul, Courtesy of the artist and Perrotin

Sophie Calle

喪失から生まれた、エモーショナルな造形

Art&Culture
15.Jul.2020

フランスのアーティスト Sophie Calleのオンラインエキシビション「Take Care of Yourself & Série Noire」が、東京やパリ、香港などに展開するGalerie Perrotinのウェブサイトにて7月19日（日）まで開催中。

コンセプチュアルアーティストや写真家、映画監督、さらには探偵などさまざまに説明され、70s後半から世界中でその作品が注目を集めているSophie Calle。

写真とテキストのコンビネーションに代表される独特の物語的要素を孕んだ彼女のプロジェクトは、それぞれが膨大な量の参照や引用の一部と見ることができ、その中では親しい人々と一般の人々、現実とフィクション、アートと実生活などの境界がぼかされている。

SOPHIE CALLE, Take care of yourself., Nursery school teacher, Laure Guy / Prenez soin de vous. Institutrice en maternelle, Laure Guy, 2007 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & SACK, Seoul, Courtesy of the artist and Perrotin

SOPHIE CALLE, Take care of yourself. Schoolgirl, Ambre / Prenez soin de vous. Elève de CM2, Ambre, 2007 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & SACK, Seoul, Courtesy of the artist and Perrotin

SOPHIE CALLE, Souris défunte, 2018 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & SACK, Seoul, Courtesy of the artist and Perrotin

今回のオンラインエキシビションでは、Calleのアイコニックなシリーズ「Take Care of Yourself」と「Série Noire」を紹介。

「Take Care of Yourself」は、2007年に開催された第52回ヴェネツィア・ビエンナーレで初めて発表されたシリーズで、Calleが元恋人からメールで受け取った別れの手紙を107人の女性に再解釈してもらい、その分析や評価を多彩なメディアを用いて作品化したもの。

人間の感情の状態や可能性を調査することで、愛と心痛、性別と親密さ、労力とアイデンティティーをめぐる考察を促した今シリーズは、その後20館もの主要な美術館で展示された。

探偵小説のタイトルが出発点となった「Série Noire」は死別をテーマとした作品で、連絡先を削除する行為をはじめ、愛する人を喪ったに際にどのようにそれに向き合うのか、Calleからのさまざまな問いかけが記されている。

喪失の悲しみから紡ぎ出された芸術性。
Calleの言語に通底する繊細な感情が、心の深部まで浸透する。

【Sophie Calle “Take Care of Yourself & Série Noire”】
DATE：7月19日（日）まで開催中
WEBSITE：viewingsalon.perrotin.com/view/28/take-care-of-yourself-serie-noire