Mungo Thomson

Mungo Thomson, PS 10610 Eagle Rock 21611–22211 P1 CM, 2017, Transparent pigment on panel, 232.5 x 162.5 cm
Mungo Thomson, November 24, 1980 (Saturn), 2020, Enamel on low-iron mirror, poplar and aluminium, 188.0x142.0x6.0 cm

Mungo Thomson

別角度から照らされた、深遠な時の概念

ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト Mungo Thomsonの個展「Archives」が、MAKI Galleryにて7月18日(土)まで開催中。

昨年の日本初個展では、安価なチラシや広告を1000倍に拡大することで印刷物と私たちの視覚のからくりを明らかにした「Rods and Cones」シリーズが多くの人を魅了したThomson。

Mungo Thomson, PS 10610 Eagle Rock 21611–22211 P1 CM, 2017, Transparent pigment on panel, 232.5 x 162.5 cm
Mungo Thomson, November 24, 1980 (Saturn), 2020, Enamel on low-iron mirror, poplar and aluminium, 188.0x142.0x6.0 cm

今展で投げかけるのは「時間」に関する概念。
アメリカで歴史を誇るニュース雑誌「TIME」の表紙を模した作品「TIMEミラー」では、常識的には見ることも触れることもできないと考えられる時間は、鏡を毎日見る中で時間が私たちに与える変化、つまり老化によって可視化されてしまうということを告げている。

そして確固とした社会的ステータスの証となる雑誌の表紙を飾るという行為をいとも簡単に叶え、虚栄心を満たすことを可能にすると同時に、人は老いていつか死を迎えるという事実を白日の下にさらすことで、せっかく手にした虚栄心もやがて無に帰すことを明らかにする。

Mungo Thomson_Stress Archive ($100 Bills, Alarm Clock, Beer Bottle, Flip, 2014-2020, Stress toys and Lucite,13.0 x 38.1 x 48.3 cm

さらに、握りしめてストレスを発散するグッズ Stress Toy(ストレストイ)をモチーフとした「Stress Archive」シリーズが日本初公開。

ストレス社会を象徴する安価なおもちゃを整列させ、アクリル樹脂を流し込み固めて「Archive(記録保管)」したこの作品は、何の変哲もないおもちゃが時間を経ることで時代を象徴するかのような価値を与えられることを示した。


また、ギャラリー3階では、同じく時間をテーマとする山本隆博の展覧会「Aging Painting」も同時開催中。

Takahiro Yamamoto, Untitled, 2019-2020, oil on canvas, 183.0 x 152.0 cm
Takahiro Yamamoto, Untitled, 2019-2020, oil on canvas, 33.3 x 24.2 cm

決して避けられない、崇高な時間という概念。
逆向きの時が流れる空間が、共に生きる私たちの意識を変革させる。



MAKI GALLERY 03-6434-7705



【Mungo Thomson “Archives”】
DATE:7月18日(土)まで開催中 ※日曜、月曜休館
TIME:11:30am~7:00pm
PLACE:MAKI Gallery
ADDRESS:東京都渋谷区神宮前4-11-11 2階
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.makigallery.com/exhibitions/2618

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