Peter Doig

Top Photo:《ブロッター》 1993 年、油彩・キャンバス、249×199 cm、リバプール国⽴美術館、ウォーカー・アート・ギャラリー蔵 ©Peter Doig. National Museums Liverpool, Walker Art Gallery, Presented by the John Moores Family Trust 1993. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

Peter Doig

想像の旅へと誘う、ノスタルジックな心象風景

スコットランド生まれの画家 Peter Doigの日本初個展「ピーター・ドイグ展」が、東京国立近代美術館にて、10月11日(日)まで開催中。

《⾚い男(カリプソを歌う)》 2017 年、油彩・⿇、295×195cm、マルグリット・スティード・ホフマン蔵 ©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

今日の世界で最も重要なアーティストの1人とされ、過去の巨匠になぞらえて「画家の中の画家」とも評されるPeter Doig。
Paul GauguinやVincent van Goghといった近代画家による構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告、彼が育った地であるカナダやトリニダード・トバゴの風景など、多様なイメージを組み合わせて絵画を制作してきた。

1994年には、当時は時代遅れのメディアと見る向きもあった絵画というジャンルを扱いながら、イギリスで活躍する現代アーティストに贈られる「The Turner Prize」にノミネートされ、ロンドンのアートシーンで一躍注目の的に。

既存のイメージと作家自身の経験が重なり生み出された未だ見たことのない光景は、新鮮でありつつもどこか懐かしく、鑑賞者を不思議と魅了する。

《のまれる》 1990 年、油彩・キャンバス、197×241cm、ヤゲオ財団蔵 ©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120
《夜の⽔浴者たち》 2019 年、油彩・⿇、200×275 cm、作家蔵 ©Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

初期作から最新作までを紹介する今展では、幅3メートル以上のものを含む、スケール感あふれる大型作品が多数展示。

その中の1つ「Swamped(邦題:のまれる)」では、映画「Friday the 13th(邦題:13日の金曜日)」にインスパイアされ、デビュー当時から一貫して描き続けているモチーフであるカヌーが登場。
作品は静けさと不穏な気配を帯び、まるでカヌーをめぐる物語が進展するかのように、これから何が起こるのかという想像の旅へ観る者を誘う。

また、今展のウェブサイトでは会場が3DVRで無料公開されており、図録や公式グッズもオンラインで購入することができる。

《ラペイルーズの壁》 2004 年、油彩・キャンバス、200×250.5cm、ニューヨーク近代美術館蔵 ©Peter Doig. The Museum of Modern Art, New York. Gift of Anna Marie and Robert F. Shapiro in honor of Kynaston McShine, 2004. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120
《ポート・オブ・スペインの⾬(ホワイトオーク)》 2015 年、⽔性塗料・⿇、301×352cm、作家蔵 ©Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 C3120

ファンタジックな風景に漂う、一抹の緊張感。
幾重ものイメージが紡ぎ出す、古くて新しい物語の中に迷い込んで。



HELLO DIAL 03-5777-8600



【Peter Doig】
DATE:10月11日(日)まで開催中
※月曜、8月11日(火)、9月23日(水)休館(ただし8月10日(月)9月21日(月)は開館)
TIME:10:00am〜5:00pm
※入館は閉館の30分前まで
※当⾯の間、⾦曜、⼟曜の夜間開館は⾏いません
PLACE:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
ADDRESS:東京都千代田区北の丸公園3-1
ADMISSION:一般 ¥1,700、大学生 ¥1,100、高校生 ¥600
WEBSITE:peterdoig-2020.jp
※新型コロナウイルス感染症予防対策のため、入館には事前にチケットのご購入が必要です(チケット料金のほかに各種手数料がかかります)。会場でも当日券を販売しますが、会場の混雑状況に応じてお待ちいただく場合があります。
※ご来場の際はマスクの着用や手の消毒、検温などにご協力ください。
※詳細情報、最新情報は展覧会のウェブサイトをご確認ください。

SHARE