Sans toit ni loi

Top Photo:(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2

Sans toit ni loi

「漂流する女性」映画の金字塔

1985年に発表された、フランスの監督 Agnès Vardaによる劇映画の傑作「Sans toit ni loi(邦題:冬の旅)」が、11月5日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国で順次公開される。




2019年に90歳で逝去するまで生涯現役を貫き、世界中の人々から敬愛され続けるフランスの映画作家 Agnès Varda。

1955年、28歳で後に「ヌーヴェルヴァーグの最初の映画」と評されることとなる「La Pointe Courte(邦題:ラ・ポワント・クールト)」で一躍注目を集めて以降、劇映画からドキュメンタリーまで、フィクションとノンフィクションを自由に行き来しながら市井の人々の飾らぬ姿を写し続けた。

(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2
(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2
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そんな彼女による劇映画の最高傑作と呼び声が高い作品が、1985年に発表された「Sans toit ni loi」。

物語ではフランスの片田舎の畑の側溝で発見された1人の女性の凍死体を発端に、彼女が死に至るまでの数週間の足取りが、路上で出会った人々の証言から辿られていく。

(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2
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(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2
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今作は第42回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞し、本国フランスでは公開当時異例の100万人を超える動員を記録。

一方で題材の難しさゆえ日本では公開まで6年を要し、興行も成功に至らず、作品も正当に評価されたとは言い難かった。

しかし30年以上を経た今、「漂流する女性」というヒロイン像を描いた映画の金字塔的作品として再評価の機運が高まり、2014年にVarda本人と今作の撮影監督を務めたPatrick Blossierの監修による2K修復を経て今回スクリーンに甦る。

(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2 
(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2

剥き出しで描かれた、孤独と自由の果てにさすらう女性像。
物語の絶望感をも凌駕する、Varda芸術の圧倒的な輝きに息を呑んで。



ZAZIE FILMS
03-6412-7797




【Sans toit ni loi】
RELEASE DATE:11月5日(土)
※シアター・イメージフォーラム他全国で順次公開
WEBSITE:www.zaziefilms.com/fuyunotabi

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