Theo Jansen
海岸を守るビーストたちの創造プロセス
オランダ出身の現代アーティスト Theo Jansenの代表作「Strandbeest」制作過程を辿るスケッチ展「- Fossielen en Schetsen - Kinetiek Esthetiek」が、MEDEL GALLERY SHUにて1月17日(金)から29日(水)まで開催される。
1948年、オランダ・スフェベニンゲンに生まれたTheo Jansenは、60s後半にデルフト工科大学にて物理学を専攻したのち、1975年に画家に転身。
1990年には母国の海面上昇問題を解決するアイデアとして物理学の経験を駆使した代表作「Strandbeest」の制作を開始し、以後ヨーロッパやアジア各地で数多くの展覧会を開催してきた。
本展では「Strandbeest」制作時のスケッチが展示され、彼独自の架空動物を生み出す創造的な過程を公開。
また、「フォッシル(化石)」と呼ばれるビーストのパーツの標本も展示・販売される。
オランダ語で「砂浜の生命体」を意味する「Strandbeest」は、プラスチックチューブを骨格とし、風を動力源に生命体のように砂浜を歩く作品シリーズ。
開発過程では、群れを成して強風から逃れることなど自然界の力学を利用しており、生命進化の過程に対する彼の探究心が表れたシリーズとなっている。
人間がいなくとも砂浜で生き延びられるように設計されたビーストは、自らの意思による歩行、方向転換、危険察知などの自律行動機能を備え、海岸の砂を集めることで自然と共生しながら海岸線を守る。
生まれたての生き物のようにぎこちなく愛らしい歩行は動物の模倣ではなく、遺伝的アルゴリズムを活用して三角形の足を制作したことによるという。