オランダと千葉の文化交流の一環として開催される本展では、アムステルダムとパリを拠点にユニットあるいは個人で活動するvan Rijとvan der Leeuwがニューヨークで手がけた「Metropolitan Melancholia（メトロポリタン・メランコリア）」と「Still Life（静物）」シリーズを中心に約80点を日本初公開。

千葉にまつわる写真の歴史にも注目し、千葉を拠点に活動する清水裕貴の写真と言葉によるアプローチを通じて、彼の作品群80点、そして古写真のコレクション関連資料や千葉県立美術館が所蔵するコレクションなどが時空を超えて展開される。

考え抜かれたフレーミングと構図によって、シュルレアリスムの系譜に通じる作品を創り出す写真家 Sarah van RijとDavid van der Leeuwは、曖昧な輪郭を持つ夢幻的な風景を映したストリートフォトで注目を集める。

ファッションブランドやエディトリアルのコミッションワークも手がけるなど幅広い分野で活躍し、2023年には2人による初の写真集「Metropolitan Melancholia」、そしてvan Rijによる「LOUIS VUITTON」フォトブックシリーズ「ファッション・アイ」の「Seoul」編を刊行した。

今回公開される「Metropolitan Melancholia」は、コロナ禍と重なる2019年から2022年にかけてニューヨークを舞台に撮影されたもの。
映画、特に監督 John Cassavetesに影響を受けた彼らが紡ぐ都市の記憶の断片や歴史的な痕跡が、物語性を喚起する。
抽象的なイメージの奥から、まるで映画のワンシーンのような物語が立ち上がっていく。

「Still Life」は、コロナ禍のロックダウンをきっかけにコントロール可能な室内で撮影された、ストリートにおける「そこにないかもしれない瞬間」を捉えようとする試み。
ガラス面の反映像や壁に投影された影が幾層にも重ねられ、深奥なイメージを形成する。

絵を描くようにシャッターを切るオランダの写真家たち、過去から現在に移りゆく千葉の風景。
作品それぞれに秘められた物語を読み解いて。



CHIBA PREFECTURAL MUSEUM OF ART
043-242-8311



【オランダ×千葉　撮る、物語る―サラ・ファン・ライ＆ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴】
DATE：2026年1月18日（日）まで開催中
※月曜、11月25日（火）、12月28日（日）～2026年1月4日（日）、13日（火）休館
※ただし、11月24日（月・祝）、2026年1月12日（月・祝）は開館
TIME：9:00am～4:30pm
※入場は4:00pmまで
PLACE：千葉県立美術館
ADDRESS：千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
ADMISSION：一般 ￥1,000、大学・高校生 ￥500
※中学生以下・65歳以上無料
WEBSITE：www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-8482/