1981年に生まれ、ルポルタージュやポートレートを中心に雑誌、書籍、広告など幅広い分野で活動する写真家 公文健太郎。

コマーシャルワークの傍ら、時に「人と自然の接点」をテーマに第1次産業の現場を取材。これまでに日本各地の農家を訪ねた「耕す人」、川と人の繋がりを考える「暦川」、瀬戸内の島に起こる過疎化をテーマにした「NEMURUSHIMA」、父との関係性を1年間かけて撮影したスナップ写真集「煙と水蒸気」など、多くの作品集を刊行してきた。
2012年にはフォトエッセイ「ゴマの洋品店」で日本写真協会賞新人賞、2024年には日本写真協会賞作家賞を受賞している。

本展では、富士山とボルネオ島（マレーシア領）の北部にそびえ立つ東南アジア最高峰のキナバル山を舞台に、公文が2023年から翌年にかけて撮影した作品群から厳選して展開。

古来より人間にとって信仰の対象であり、また同時に生命の源とされてきた「山」。
その在り方や捉えられ方は時代が進むにつれて変化し、共に生きた記憶はいつの間にか薄れていったのかもしれない。

目に見える存在として山々を写し直した本作は、それでも変わることなく美しい水や甘い果実といった大いなる恵みを与え続けてくれるその存在の大きさを思い起こさせる。

可視化される自然の超越性。
静けさの中で、今もなおそれらに生かされていることを知る。



SEE YOU GALLERY
03-4405-2757



【Kentaro Kumon “Dropped Water, Dropped Fruit”】
DATE：11月22日（土）～12月18日（木）
TIME：1:00pm～8:00pm
PLACE：see you gallery
ADDRESS：東京都渋谷区広尾 1-15-7 2階
ADMISSION FREE
WEBSITE：seeyougallery.com/exhibitions/dropped-water-dropped-fruit_kentaro-kumon