Top Photo:フェリックス・ヴァロットン《お金(アンティミテⅤ)》1898 年 木版、紙 三菱一号館美術館 Top Photo:フェリックス・ヴァロットン<アンティミテ>版木破棄証明のための刷り 木版、紙 1898 年 三菱一号館美術館
19世紀末のパリで活躍したスイス生まれの画家 Félix Vallottonの展覧会「ヴァロットン―黒と白」が、三菱一号館美術館にて2023年1月29日(日)まで開催中。
スイス・ローザンヌに生まれ、19世紀末から20世紀のパリで前衛芸術家たちのグループ「ナビ派」の1人として活動したFélix Vallotton。 世紀の転換期、かつてないほどの彩りにあふれたパリを異邦人として観察した彼は、斬新な視点とフレーミング、モチーフの単純化やダイナミックな人物表現など、木版画に独自の境地を切り拓いた。 黒1色で刷られた革新的な木版画はヨーロッパ中に衝撃を与え、その辛辣な風刺やユーモアに富んだ視点、黒と白のコントラストを操るデザイン性によって、今日も新鮮さを失うことなく人々の心を捉えている。
世界有数の彼の版画コレクションを誇る三菱一号館美術館で開催される今展は、希少性の高い連作「Intimités(アンティミテ)」や「C’est la guerre!(これが戦争だ!)」の揃いの他、約180点を通して未だ謎に満ちたVallotton作品の魅力を紹介。 1898年に限定30部で刊行された「Intimités」は、男女関係や結婚生活の不協和音が響く10の場面で構成され、大部分が黒い平塗りで侵食された画面やアラベスクの装飾模様に、Vallotton芸術の真骨頂を見ることができる。
また、同時代のパリで活躍した画家 Henri de Toulouse-Lautrecとの特別関連展示では、社会の周縁で生きる女性たちに視線を向けた2人による表現の比較が試みられた。
社会の現実や人間の内面を浮き彫りにする黒と白。 さまざまな葛藤の中で構築された、モノクロームの世界に足を踏み入れて。 HELLO DIAL 050-5541-8600 【FÉLIX VALLOTTON - NOIR ET BLANC】 DATE:2023年1月29日(日)まで開催中 ※月曜、12月31日(土)、2023年1月1日(日)休館 ※ただし11月28日(月)、12月26日(月)、2023年1月2日(月)、9日(月・祝)、23日(月)は開館 TIME:10:00am~6:00pm ※金曜、第2水曜、会期最終週平日は9:00pmまで ※入館は閉館の30分前まで PLACE:三菱一号館美術館 ADDRESS:東京都千代田区丸の内2-6-2 ADMISSION:一般 ¥1,900、高校・大学生 ¥1,000 ※中学生以下無料 WEBSITE:mimt.jp/vallotton2/ ※日時指定前売券などチケットに関する詳細は、展覧会のウェブサイトをご確認ください。
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