2021年にロンドンのWhitechapel Galleryで開催された、Eileen Agarの回顧展からインスピレーションを受けた今コレクション。
イギリスのシュルレアリスムを代表するアーティストの1人として知られるAgarの作品には、既成概念にとらわれない精神が宿っており、その筋の通った想いが今作にも反映されている。

注目すべきは30sから40sにかけての作品。

Agarはイギリスの伝統的なスタイルが、大胆に変化するモダニティとの狭間で微かに残っていた当時情景を見事に表現し、自然の形を反転させ、抽象化して「神秘的」なものとして表現。
統制の取れたイギリスの正統さと奔放さの間を見事に描いた。

そんな彼女の世界観を着想源に制作された「ERDEM」の2022年プレフォールコレクション。

プリミティブなニットウェアにスパンコールがついたスカートの組み合わせ、羽のように軽いニットは、花柄のドレスの上に着て長く結んだスカーフや遊び心のあるアシンメトリーのドロップパールイヤリングを合わせるなど、Agarの作品に見られる絶妙な調和を体現。
その他にも無邪気なイングリッシュガーデンの雰囲気を感じさせる花々の要素や、個性的なドットのアクセントがコレクションに華を添えている。

また、Agarのアート作品からインスパイアされたコラージュドレスシリーズは、カラー・プリント・モチーフを組み合わせて表情豊かに仕上げられた。

日常を非日常へと昇華させ、観る者を虜にする唯一無二の魅力。
芸術的なエッセンスが散りばめられたダイナミックなワードローブに夢を抱いて。



ERDEM
erdem.com