【CAMPAIGN】ERDEM 2021SS
過去を巡り、想いを募らせ綴られた新たなコレクション
イギリスのブランド「ERDEM」の2021年春夏コレクションが披露された。
今コレクションは、1992年に前衛的な歴史小説を執筆し、世間の注目を集めたアメリカの作家Susan Sontagの小説「The Volcano Lover(邦題:火山に恋して)」から着想を得て制作。
18世紀のイタリア・ナポリを舞台に描かれる今作は、主人公のEmma Hamiltonとその主人のWilliam Hamilton、そしてHoratio Nelsonの間で繰り広げられる、恋の三角関係を綴った物語。
ヴェスヴィオ火山を背景に、教示的なロマンスが描かれている。
作中で立ちはだかる“噴火する火山”は比喩的な意味でも用いられており、動向が予測できず、そして支配できないものとして表現。
火山が唸り声をあげ、革命が大陸を巡ると、誰もが未来は過去と異なることを理解する。
この情景は、今、私たちが直面している危機的な瞬間ともリンクしている。
今コレクションは、その作者 Sontagのフィルターとペンを通して表現。
目の前にある壁に抗う、Emmaという女性の力強さ。
彼女は厳しい逆境に遭っても、不安から目的を、混乱から情熱を見つけ、災を転じて福となしていた。
今回「ERDEM」も、そんなストーリーに近しい、パンデミックという厳しい状況の中で制作している。
新たに創出されたのは、フラワープリントやパフスリーブ、リボンといったディテールが配された華やかな香りで満たされたピースたち。
これらはロンドンの広大な森林地帯のエッピングフォレストを舞台に、樫の並木道、そしてシダの葉をランウェイに見立てて撮影、ヴィジュアルを通じて披露された。
歴史を辿り、影響され、紡がれた新たな息吹。
まるでおとぎの世界へと足を踏み入れるように、その瑞々しい空気に触れてみて。
ERDEM
erdem.com