多角的な視点から写真に向き合い続けてきた3名による本展。

会場となった和朗フラット4号館は、来年1月に築90年を迎える登録有形文化財として長い時間を受け止めながら、今でも人々の暮らしが続いている。
麻布台のレトロな路地裏に佇むギャラリーを舞台に、それぞれの感性が交差する。

鮫島亜希子は、ワインを主題にした3つの作品を制作。
土壌や気候、育てる人々の思想や祈りが液体に息づくことに着想を得て「人が自然や文化とどう向き合うか」という問いを共有する。

これまで山を舞台に制作してきた枦木功は、その視線を日常に接する人物へと向けてい
る。
匿名性を保ちながら揺らぎや余白の中に広がりを見せる作品は、誰の記憶にも重なり新たな視点を導いていく。

上海を拠点に活動する谷田貝慎は、陰と陽の循環を象徴する「円」を起点に、存在と不在、秩序と混沌が交差するさまを写真に映し出す。
太極図をもとに、生成と消滅を繰り返す過程を描き、万物が変化し続ける様を表現した。


眠っていた記憶を照らす、3つの視線。

それぞれの作品と、歴史を宿す建物の共鳴を感じて。



EGEN GALLERY
www.nomadica.jp/egengallery/



【Akiko Sameshima × Isao Hashinoki × Shin Yatagai “FLAT FOUR / THREE”】
DATE：12月7日（日）まで開催中
※火曜休廊
TIME：12:00pm～7:00pm
※土曜、日曜は11:00am〜6:00pmまで
PLACE：Egen Gallery
ADDRESS：東京都港区麻布台3-3-23 和朗フラット四号館 5号室
ADMISSION FREE
WEBSITE：www.nomadica.jp/egengallery