“Looking through – Le Corbusier windows” by Takashi Homma

Top Photo:High Court 1, Chandigarh, 2013

©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU, Supported by Window Research Institute

“Looking through - Le Corbusier windows” by Takashi Homma

窓の内から眺めた、ル・コルビュジエ建築の全貌

写真家 ホンマタカシの展覧会「Looking through – Le Corbusier windows」が、TARO NASUにて、10月12日(土)まで開催中。


雑誌や広告を中心に活躍しながら、メディアとしての写真の存在を問い続け、さまざまな方法で写真表現の可能性を追求してきたホンマタカシ。
感情を排したかのような対象との独特な距離感は国内外で注目を集め、1999年には無機質な東京の郊外風景とそこに暮らす子どもたちの姿を撮影した写真集「東京郊外TOKYO SUBURBIA」で第24回木村伊兵衛写真賞を受賞している。

Cap-Martin, France, 2004 ©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU, Supported by Window Research Institute
Une Petite Maison / Le Corbusier, Switzerland(3), 2002 ©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU, Supported by Window Research Institute

今展では、20世紀建築の巨匠 Le Corbusierが手掛けた建築作品の「窓」を写した写真を展示。
窓は、美術史の中でモチーフとしてさまざまな意味を託されてきており、これまでのホンマの作品世界においても、カメラオブスキュラとの親密性や産業革命以降に発展した近代社会との関係性など、重要な構成要素として内包されてきた。

しかし、今作でホンマは、窓そのものを主題とするのではなく、建築物を一般的な建築写真と異なる形で写すための手段として窓を撮影。
フレームとしての窓越しに眺める景色を通し、写真には写り込まない建築物の全貌を、抽象的かつ観念的なイメージで捉えた。

ホンマにとって、Le Corbusier建築の窓から眺めた景色を撮影することは、偉大な建築家の視線を追体験し、彼の建築の内部に思いを巡らせることであり、Le Corbusier建築は「構造物に関する情報伝達」という建築写真の桎梏から解放されたイメージとなって鑑賞者の眼前に立ち現れる。

Atelier, Cap-Martin, France, 2004 ©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU, Supported by Window Research Institute
Cabanon, Cap-Martin, France, 2004 ©Takashi Homma Courtesy of TARO NASU, Supported by Window Research Institute

思考の具現化であり、思考の容器でもある建築物。
その本質に迫る、ホンマの視線が切り取った世界の断片を見つめて。



TARO NASU
03-5786-6900



【Looking through – Le Corbusier windows】
DATE:10月12日(土)まで開催中 ※日曜、月曜、祝日休館
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:TARO NASU
ADDRESS:東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル4F
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.taronasugallery.com/exhibition/current/

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