Ismaïl Bahri

Top Photo:Apparition | Video | 3min | 2019 | © Ismaïl Bahri, Courtesy of the artist

Ismaïl Bahri

微かなざわめきを感じさせる、光と陰の戯れ

フランスとチュニジアを拠点に活動するアーティスト Ismaïl Bahriの個展「みえないかかわり」が、銀座メゾンエルメス フォーラムにて、2020年1月13日(月・祝)まで開催中。

Gesture #1(left), Gesture #2(right) | Paper and light | 2018 | © Isabelle Arthuis, Courtesy of Fondation Hermès
Orientations | Video | 20 min | 2010 | © Ismaïl Bahri, Courtesy of the artist
Nest (research material) | Tape and earth, twigs, leaves and pebbles | 2019 | © Ismaïl Bahri, Courtesy of the artist

主に映像表現を通じ、写真や映画の原理を用いた視覚実験や、最小限の状況設定と身ぶりに基づく作品に取り組んできたIsmaïl Bahri。

雑誌のページが揉みしだかれることで印刷された画像が少しずつ消えていく様子や、手首に乗った水滴の微かな振動が皮膚の下で脈打つ動脈の存在を明らかにする様子、あるいは細長く切り込まれた壁の隙間が生み出す自然光のドローイングなど、素材の本質から事物を捉えるBahriが生み出した静謐な情景は、魔術を呼び起こす啓示的な仕草を想起させる。

予期せぬアクシデントやディテール、瞬間的な変化に着目した、彼の直感的な試みは、厳密な手順を踏んで作品化されることにより、時間枠が拡張された異なる地平へと鑑賞者を導いてゆく。

Installation view ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
Installation view, Ball Trace | Silica sand | Dimensions variable | 2019 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
Invisible Concern | Water, wood piece, video camera, wi-fi | Dimensions and duration variable | 2012-2019 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

今展では、会場となる銀座メゾンエルメス フォーラムが、光と陰とが戯れる光学装置へと変貌。
逆光の中、手の操りから出現するイメージを捉えた新作の映像を中心に、フィルムやオブジェ、ドローイング、空間で生じる即興的な動作、自然光などから構成されたインスタレーションは、消去と消滅、追憶と記憶の認識を転回させる。


得も言われぬ不安を象徴するような、隠れたざわめきの可視化。
精緻な実験に用いられた柔らかな光が、知覚の儚さを浮き彫りにする。



GINZA MAISON HERMÈS 03-3569-3300



【Invisible Concern by Ismaïl Bahri】
DATE:2020年1月13日(月・祝)まで開催中
※12月30日(月)~2020年1月2日(木)休業
TIME:11:00am~8:00pm
※12月25日(水)までは4:30pmまで、日曜は7:00pmまで(入場は閉館の30分前まで)
PLACE:銀座メゾンエルメス フォーラム
ADDRESS:東京都中央区銀座5-4-1 8F
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/191018/

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