Ikko Narahara

奈良原一高「消滅した時間、ユタ」、1971 年/1973 年、ゼラチン・シル バー・プリント、26.6 x 34.3 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

Ikko Narahara

時空を超えた視座を有した、奈良原一高の追悼展

今年1月に逝去した、日本を代表する写真家 奈良原一高の追悼展「消滅した時間」が、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて、3月31日(火)まで開催。

奈良原一高「消滅した時間、ニューメキシコ」、1972 年/1973 年、ゼラ チン・シルバー・プリント、27.6 x 41.6 cm © Narahara Ikko Archives / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

1956年、過酷な状況を力強く生きる人々の姿を写した「人間の土地」で鮮烈なデビューを果たし、詩情豊かな「パーソナル・ドキュメント」の表現手法で、日本写真史の新時代を切り開いた奈良原一高。

写真のみならず芸術や文学などにも関心を寄せ、池田龍雄や河原温といった芸術家や、美術評論家で詩人の瀧口修造らと交流を深めると同時に、東松照明や細江英公らと共に写真家たちのセルフエージェンシー「VIVO」を設立した。

その後もパリやニューヨークに拠点を移しながら世界各地を取材し、多数の展覧会を開催するなど、国際的な評価を確立。
「写真は未来から突然にやって来る。僕の場合は、いつもそうだった。」と述べた彼は、晩年にはその作品世界を宇宙との対話へと収斂させていった。

奈良原一高 追悼展 「消滅した時間」展示風景 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム 2020年2月29日 – 4月4日 Photo: Kenji Takahashi
奈良原一高 追悼展 「消滅した時間」展示風景 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム 2020年2月29日 – 4月4日 Photo: Kenji Takahashi
奈良原一高 追悼展 「消滅した時間」展示風景 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム 2020年2月29日 – 4月4日 Photo: Kenji Takahashi

今展では、奈良原が時空を超えた独自の視座を確立する上で重要な契機の1つとなった、70sのアメリカ滞在中に撮影された作品群「消滅した時間」より、10点が展示される。


宇宙の記憶への郷愁と、地球上の何気ない生活への愛を覚えた瞬間の記録。
人間の存在を遥かに超えた、気宇広大な時空間へ眼差しを重ねて。



TAKA ISHII GALLERY PHOTOGRAPHY / FILM
03-5575-5004




【Ikko Narahara Memorial Exhibition “Where Time Has Vanished”】
DATE:3月31日(火)まで開催 ※新型コロナウイルスの感染拡大を受けて会期日程を短縮・当面の間休廊
TIME:12:00pm~7:00pm
PLACE:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
ADDRESS:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2階
ADMISSION FREE
WEBSITE:http://www.takaishiigallery.com/jp/archives/21375/

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