TOKYO ART BOOK FAIR 2025 Report

Top Photo:©︎ Takashi Homma

TOKYO ART BOOK FAIR 2025 Report

Week 2で注目のブースをレポート&ピックアップ

東京都現代美術館にて開催された「TOKYO ART BOOK FAIR 2025」 に、Lula Japanが初出展。
Week 1が終了し、次は Week 2が、12月19日(金)から21日(日)まで同会場にて開催される。

Lula Japan Webでは色とりどりのコンテンツの中から、Week 2でも引き続き開催される2つの展示をレポート。
さらに、Week 2で訪れたい注目の展示と出展者をご紹介。
出版物や写真を介して伝わるエネルギーを体感して。

1. Report|Takashi Homma

©︎ Takashi Homma

日本を代表する写真家 ホンマタカシによる展示「ホンマタカシ『SONGS―ものが語る難民の声』」。

本作はホンマが「瀬戸内国際芸術祭2025」において、芸術祭実行委員会 UNHCRの共催企画として発表した。
本展では作品とあわせて、「難民」や「平和」をテーマにセレクトされた書籍を基軸とするUNHCR駐日事務所の書籍展示企画「難民のものがたり展」も展開される。

ホンマはバングラデシュ、コロンビア、日本の3ヶ国で暮らす難民や国内避難民の住まいを訪ね、時に対話を重ねながら、報道からだけでは見えてこない難民ひとりひとりの物語に光を当てていく。
写されたのは故郷を追われた人々の姿と、彼らが避難生活の中でも手放すことのなかった、故郷との繋がりを宿した「大切なもの」。

個々の語りと共に壁面に貼り出されるそれらは、展示スペースの中心に立つ鑑賞者を囲み、彼らの強い視線と暮らしの断片が、深い悲しみを想起させる。

2. Report|OUT OF THE GRID: Italian Zine 1978–2006

ひとつの国や地域に焦点を当てて出版文化を紹介する企画「Guest Country」では、イタリアを特集。
「OUT OF THE GRID: Italian Zine 1978–2006」は、同名の出版物をもとに構成する展覧会。

アーティスト・キュレーターのDafne Boggeriと彼女が2013年にミラノで立ち上げた実験的出版プラットフォーム SPRINT – Independent Publishers and Artists’ Books Salonが、1978~2006年にかけてイタリアで制作されたZINEを批評的に選出。
60〜70sの社会・政治運動の高揚期後からインターネット普及以前までの時代を横断しながら、イタリア各地における自主的な表現とセルフパブリッシングの地景を描き出していく。

言語、形式、そして切実さの変化を繊細かつ急進的に辿るそれらは、技術の進歩のみならず、共通の関心を共有するコミュニティにおける印刷物を通したコミュニケーションの実態を表出。
彼らがどのように異議、欲望、そしてアイデンティティーを表明してきたか、そして新たなメディアの出現に対する独自の先取り方法が示される。

所狭しと並べられる作品群は、音楽、社会運動、美術、文学など多様な分野を横断するイタリアのアンダーグラウンド出版ネットワークの一端を明示。
そのユニークなデザインの数々は、出版物を用いた自己表現の可能性を明らかにする。

3. Exhibitor|229GALLERY

東京・御徒町を拠点とする229GALLERYが、Week 2に出展する。

フォトギャラリーを中心に、カフェ、アートブックショップ、ヘアサロンを併設する229。
多様な人々に開かれた場所として循環と繋がりが生まれることを目指す。
フォトギャラリーでは写真家のみならず、ヘアスタイリストやファッションスタイリスト、ダンサーなどによる展示を積極的に企画。
最近では、台湾を拠点とする写真家・映像作家 Lily Chenやヘアメイクアップアーティスト出身のアーティスト 松野仁美による展示、またジュエリーデザイナー Moira x Melと写真家 Madeleine Rayによる2人展などを開催した。
多様な展覧会を次々と行うことを通して、写真が持つ可能性に挑戦し続けている。

会場では写真集を中心に販売。
分野を横断するギャラリーならではの選出を楽しんで。

4. Exhibitior|shelf kk

出版レーベル shelf kkが、Week 2に出展する。

写真家 木村和平によって2025年に設立された出版レーベル shelf kk。
主に木村による自主的な出版物の制作・販売、また関連する書籍を取り扱うプラットフォームとして機能する。
レーベルによる第1作は、 「練習」をキーワードに書籍フォーマットを固定化し、継続的に刊行するシリーズ「Practice」。
「TOKYO ART BOOK FAIR 2025」はそのお披露目の場となる。

繊細かつ詩的な作品群で知られる写真家の、新たな実践を目の当たりにして。

5. Exhibitior|POST

東京・恵比寿を拠点とするブックショップ POSTが、Week 2に出展する。

出版社という括りで本を特集し、扱う書籍が定期的に全て入れ代わるブックショップ POST。
2011年のオープン以降、世界各国の出版社約40社をフィーチャーしてきた。
恵比寿の実店舗の他、東京オペラシティ アートギャラリーに併設するミュージアムショップ Gallery 5やDover Street Market Ginza内のブックショップ BIBLIOTHECA、建築とアートの領域をまたぐ専門書店 新建築書店の運営も担当。
また、本の売り場のコーディネートや本のアーカイブ作成にも携わる。

ユニークなブックショップが並べる選りすぐりの書籍群。
感性を揺さぶるその数々を手に取ってみては。

視線を奪われる、こだわり抜かれた印刷物たち。
作品群それぞれの核心を自身の感覚で確かめて。



TOKYO ART BOOK FAIR
tokyoartbookfair.com



【TOKYO ART BOOK FAIR 2025】
DATE:
Week 2 12月19日(金)〜21日(日)
TIME:11:00am~6:00pm
※12月19日(金)は12:00pm〜7:00pm
※入場は閉場の30分前まで
PLACE:東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホール他
ADDRESS:東京都江東区三好4-1-1
ADMISSION:一般 ¥1,000
※オンライン事前予約制。チケットの発行手数料に¥165がかかります。
※当日券は¥1,200で各日4:00pmまで若干数販売予定。
※一部のイベントには別途参加費が必要です。
RESERVATION FROM:www.ticketpay.jp/calendar.php?content_code=tokyoartbookfair2025
WEBSITE:tokyoartbookfair.com
※詳細はTOKYO ART BOOK FAIRのウェブサイト、SNSをご確認ください。

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