Risaku Suzuki

Top Photo:Risaku Suzuki “SAKURA 21, 4-597, 4-598” 2021, Chromogenic print, 1190 ×952 mm (each) © Risaku Suzuki
Courtesy of Taka Ishii Gallery

Top Photo:Risaku Suzuki “White 18, H-661” 2018, Chromogenic print, 952 ×1190 mm © Risaku Suzuki
Courtesy of Taka Ishii Gallery

Risaku Suzuki

季節の断片が問う、「見る」という経験

国内外問わず精力的に活動を続ける写真家 鈴木理策の個展「冬と春」がタカ・イシイギャラリーにて7月2日(土)まで開催中。

Risaku Suzuki “White 18, H-661” 2018, Chromogenic print, 952 ×1190 mm © Risaku Suzuki Courtesy of Taka Ishii Gallery

1998年に初の写真集「KUMANO」を出版し、翌年出版された「PILES OF TIME」で第25回木村伊兵衛写真賞を受賞、その後も世界各国で個展を開催してきた鈴木理策。

「見るという経験とは何か」を問う装置として写真を捉え、ライフワークである熊野での撮影の他、桜や雪、フランスのPaul Cézanneのアトリエのシリーズといったさまざまなものを通して、その特性と視覚の問題に向き合ってきた。

鈴木は写真において、撮影者の眼、存在する対象をありのままに映し出すカメラという光学機械、それらを繋ぐ媒介としての光、撮影者の意識外にある外界の揺らぎ、そして現像された写真のイメージ同士の繋がりが組み合わさり、「見る」という経験が成立すると考えている。

Risaku Suzuki “White 17, H-613”, 2017, Chromogenic print, 952 ×1190 mm © Risaku Suzuki Courtesy of Taka Ishii Gallery

今展では、これまで撮影してきた桜や雪、水鏡という主題から、それぞれ断片でありながら、並列されることで生まれる時空間に視線が注がれている。
隣り合う写真は見る者を介しながら響き合い、それぞれの心の中で身体的な経験として動き始める。

そして、カメラによって機械的に記録された、作家が感じた光や空気、温度、その移ろいは、持続する時間の中でその過程を追体験する鑑賞者に、現実とは何か、物事を見ている自分とは何なのかを問う行為となっていく。


会期中には作品集「冬と春」が刊行。
同じく写真家である柴田敏雄と鈴木による展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画―セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」もアーティゾン美術館で7月10日(日)まで開催されている。

Risaku Suzuki “SAKURA 21, 4-597, 4-598” 2021, Chromogenic print, 1190 ×952 mm (each) © Risaku Suzuki Courtesy of Taka Ishii Gallery

季節の移ろいが身体的経験に変化する時空間。
写真と写真の間に存在する、見えない余白を感じとって。



TAKA ISHII GALLERY
03-6434-7010




【Risaku Suzuki “Winter to Spring”】
DATE:7月2日(土)まで開催中
※月曜、日曜、祝日定休
TIME:12:00pm~6:00pm
PLACE:タカ・イシイギャラリー
ADDRESS:東京都港区六本木6-5-24 complex665 3階
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.takaishiigallery.com/jp/archives/26557/

【Risaku Suzuki “Winter to Spring” (Book)】
RELEASE DATE:6月予定

【Jam Session: The Ishibashi Foundation Collection × Shibata Toshio × Suzuki Risaku, Photography and Painting: From Cézanne Shibata Toshio and Suzuki Risaku】
DATE:7月10日(日)まで開催中
※月曜定休
TIME:10:00am~6:00pm
※入場は5:30pmまで
※金曜日は8:00pmまで
PLACE:ARTIZON MUSEUM 6階展示室、4階展示室内ガラスケース
ADDRESS:東京都中央区京橋1-7-2
ADMISSION:一般 ¥1,500
※大学生、専門学校生、高校生無料(要予約)
※中学生以下無料
WEBSITE:www.artizon.museum/exhibition/detail/539

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