Motoko Ishibashi & Urara Tsuchiya
既存の概念を揺さぶる陶芸と写真
イギリスを拠点に活動するアーティスト 石橋征子と土屋麗による展示「On being an angel」が、Ritsuki Fujisaki Galleryにて10月2日(日)まで開催中。
1987年に長崎県に生まれた石橋征子は、日本で美術や美術史に接した後に渡英して絵画を学び、2015年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて修士課程を修了。
現在はイギリスを拠点に、絵画を中心としながらパフォーマンスやインスタレーションなどの制作も行っている。
東京郊外で育った土屋麗は、20歳でロンドンへわたり、その後スコットランドのグラスゴー・カレッジ・オブ・アートで美術学修士号を取得した。
陶芸作品をメインにパフォーマンス、映像、衣装など幅広い形で作品を発表し、確立された領域を飛び越えながらセクシュアリティをめぐる固定観念を問い直している。
今展では、2人が2022年にアーティストレジデンス(滋賀県立陶芸の森)にて滞在制作を行った陶芸作品と、これまで写真家 工藤佑斗と撮影してきた写真作品の新シリーズを発表。
タイトルである「On being an angel」は、ニューヨークのフォトグラファー Francesca Woodmanが1977年に展示を行った作品のキャプションから引用したもので、展示は彼女の一連の作品にインスピレーションを得ている。
ジェンダーやセクシュアリティをはじめとした規範が揺らぐ中、現代における社会への態度が色濃く示され、妖怪や怪談、自然、お面などの日本的なモチーフが、ユーモアをまとって撹乱的に提示された。