Top Photo:「月光荘の絵具」 2022 Top Photo:「香水 花椿」 2022
日本を代表する写真家 石内都の個展「初めての東京は銀座だった」が、資生堂ギャラリーにて10月15日(日)まで開催中。
1947年群馬県桐生市に生まれ、神奈川県横須賀市で育った石内都は、日本写真界を牽引する存在として知られる写真家。 1979年に「APARTMENT」で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞後、同い年の女性たちの手と足をクローズアップした「1・9・4・7」や、母の遺品を撮影した「Mother’s」、原爆で亡くなった人々の遺品を撮影した「ひろしま」など、数々のシリーズが国際的に評価され、幅広い層からの共感を得てきた。 2018年以降は故郷の桐生市へと拠点を移して活動しながら、写真の今後について考察し続けている。
今展では、2022年6月から2023年5月にかけて掲載されたウェブ花椿の連載「銀座バラード」のために撮り下ろした写真から、未発表のものも含む約30点のオリジナルプリントを紹介。 石内が最初に銀座を訪れたのは、東京でバスガールをしていた叔母に流行りのジャズ喫茶に連れて行ってもらった、1962年15歳の春。 写真家としてのスタートとなった初期3部作の個展を開催したのもこの街だったという。
「銀座バラード」では、石内が現在も大切に保管し、銀座を訪れるきっかけとなった歌手のレコード、月光荘で戦時中に製造・販売されていた絵の具など、彼女の記憶と結びつくものに加え、銀座の文化を作ってきた店を象徴する品々が写真に納められた。 写真家として時を重ねるうちに、初期の頃には抵抗を感じていた記録・伝達という写真の役割も受け入れられるようになったという石内が撮影した品々からは、継承していきたい技術や伝統、誇りなどが感じ取れる。
大きな震災や戦禍から蘇ってきた、復興の象徴とも言える銀座の街。 変化していくこの場所で石内が捉えてきたモノの記憶に、淑やかな想像を重ねて。 SHISEIDO GALLERY 03-3572-3901 【Ishiuchi Miyako “Ginza was my first Tokyo”】 DATE:10月15日(日)まで開催中 ※月曜休館 TIME:11:00am~7:00pm ※日曜、祝日は6:00pmまで PLACE:資生堂ギャラリー ADDRESS:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階 ADMISSION FREE WEBSITE:gallery.shiseido.com/jp/exhibition/6383/
時の経過を受け止める薔薇の花々
写真作品が宿す、女性作家3名の精神
作品を通して再考する、写真の役割とその行方
時空間を超え描き出される家族の思い出
今週のおすすめアート
新たな生命を吹き込まれた伝統家具
泡沫の少女時代を写した作品集
子どもたちの姿に宿る自然のピュアリティ
モダニズム建築の巨匠の円熟期回顧展
美しい装飾が奏でる、深く穏やかなエレガンス
放課後に訪れる自分だけの時間
プレイフルな色彩が揃う、柔軟なスニーカー
半世紀の時を経て公開される革新的なラブストーリー
驚きと喜びで捉える色彩の顕れ
多様な編み技術を用いたレッグウェア
タイムレスな魅力を放つ「GIVENCHY」の名品バッグ
「錫色」にまつわる3つのコラム - 朝吹真理子/作家
透明な静けさの中に映る、相反するきらめき
10周年を祝した記念号が発売
「ME ISSEY MIYAKE」が描き出す「日日是好日」の心
アートディレクターと写真家が交わす美しき対話
Lula Japan編集部に聞いた思い出の1枚
横浪修の作品集「Assembly Teshikaga」が「Lula BOOKS」より発売