GIVENCHY 2025AW
眠っていた型紙が導く、記憶の中のフォルム
上海・静安区に佇む石庫門建築群 張園(ジャンユエン)にて、「GIVENCHY」2025年秋冬ウィメンズコレクションの展示会が開催された。
今展示会の会場に選ばれたのは、150年以上の歴史を持つ石庫門建築群の中でも特に象徴的な建物の1つである、独立棟のヴィラ「W12」。
ヨーロッパの様式と上海の伝統が重なり合う空間には重厚さと繊細さが共存し、時の積層が静かに息づいている。
アーティスティック・ディレクター Sarah Burtonのファーストコレクションとなる今回は、女性の身体の曲線美を起点に、マスキュリンな構造性とフェミニンな軽やかさを絶妙なバランスで融合した構成。
出発点となったのは、同ブランド最初のメゾンの改装作業中に見つかった1952年のオリジナルパターン。
茶封筒に収められていたキャリコの型紙は、創業者 Hubert de Givenchyが最初に手がけたコレクションのものであり、長い時を経て今季のインスピレーションとして再び息を吹き返した。
「GIVENCHY 1952」と刻まれた裁断用ボディから着想を得たルックや、構造的なショルダーと柔らかなウエストラインを持つジャケット、ミニマルに整えられたトラウザーなど、歴史を丁寧に紐解きながらも現代的なストーリーへと昇華させている。
そして中国・上海という都市での発表は、文化的対話を内包する眼差しが滲む。
プロモーションの枠を超え、文化とファッションが呼応する舞台となった。
レガシーと対話するように立ち上がる、新たな解釈の形。
歴史ある街で静かに交わされた眼差しに、心を掴まれて。
GIVENCHY JAPAN
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