Eiji Watanabe

Top Photo:渡辺英司 名称の庭 / エトワール海渡インスタレーション
撮影:池ノ谷侑花 (ゆかい)

Eiji Watanabe

図鑑から切り離され、再配置された庭の生きものたち

アーティスト 渡辺英司による展覧会「名称の庭/エトワール海渡インスタレーション」が、「東京ビエンナーレ2025」のプログラムとしてエトワール海渡 リビング館にて開催中。

渡辺英司 名称の庭 / エトワール海渡インスタレーション
撮影:池ノ谷侑花 (ゆかい)

東京の街を舞台に、2年に1度開催される国際芸術祭「東京ビエンナーレ」。
世界中から幅広いジャンルの作家やクリエイターが集結し、地域住民と共にさまざまな展示やイベントを作り上げていく。

1961年愛知県に生まれのアーティスト 渡辺英司は、図鑑の植物や生き物の図像を切り取り、実空間に無数に配するインスタレーションで知られる。

「アムステルダム・スカルプチャー・ビエンナーレ ARTZUID 2017」や「第1回あいちトリエンナーレ」など国内外の展覧会で作品を発表する一方、自身の手で各地にアートスペースを創造し、若手アーティストや海外アーティストをそこに招き入れながら、多様なコラボレーションも実現している。

渡辺英司 名称の庭 / エトワール海渡インスタレーション
撮影:池ノ谷侑花 (ゆかい)

東京の街に根差した「東京ビエンナーレ 2025」の一部として開催される本展では、植物図鑑や蝶図鑑から図像を切り抜いて、床面や壁面に配置するシリーズ「名称の庭」の最新版を公開する。

1992年に制作が開始され、各所で展開されてきた本作。
図鑑において、生物は観察者によって発見・命名・分類され、図版と共に記述される。
それは人間が、目の前の自然と自身の知識が結びついて初めて個性を認識することの象徴とも言える。
渡辺の作品では、人間によって確認されたものである図版群が切り抜かれ、再度異なる空間に「名づけられた庭」として立ち現れ、鑑賞者は新たな人間的自然を目にすることになる。

また、本作と関連するフレーズを電球で表した作品「CATCH & RELEASE」や来場者が作品に関われるインタラクティブな仕掛けなども展開される。


ユニークな手法で混沌へと帰される、庭の生きものたち。
当たり前に使われる名が異化されていく。



TOKYO BIENNALE
03-5809-1653



【Eiji Watanabe “Garden of the appellation / Etoile Kaito Installation”】
DATE:12月14日(日)まで開催中
※月曜、火曜定休
TIME:11:00am~6:00pm
※金曜は7:00pmまで
PLACE:エトワール海渡 リビング館
ADDRESS:東京都千代田区東神田1-15-15 エトワール海渡 リビング館
ADMISSION:一般 ¥2,200、学生 ¥1,500
※高校生以下無料
WEBSITE:tokyobiennale.jp/tb2025/exhibition/eiji-watanabe/?lang=ja

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