Art between Japan and Korea since 1945

Top Photo:田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》2018年 ビデオ・インスタレーション サイズ可変 個人蔵

Art between Japan and Korea since 1945

アートを通して浮かび上がらせる、隣国 韓国との関係史

展覧会「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」が、横浜美術館にて3月22日(日)まで開催中。

百瀬文×イム・フンスン《交換日記》2015-18年 ビデオ 64分 個人蔵

地理的にも文化的にも近しい他者として、長い歴史を歩んできた日本と韓国。
本展は1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせて1945年以降の日韓美術の関係史を紐解く、初の大規模展覧会となる。

企画は韓国の国立現代美術館との共同で行われ、日韓両国を主な拠点とする50組以上の作家が制作した約160点の作品を展開。
歴史的なわだかまりや政治的な摩擦を抱える両国が、アートを入り口として隣国に目を向け、自分たちを見つめ直し、共に生きるヒントを得ることを目指していく。

曺良奎《マンホールB》 1958年 油彩、カンヴァス130×97.3cm 宮城県美術館蔵
郭仁植《Work》 1963年 ガラス、麻布 46×120.7cm 国立国際美術館蔵 ©ギャラリーQ

展覧会は全5章で構成され、第1章では1945年の日本敗戦から1965年の日本・大韓民国間の国交正常化までの約20年間における「空白期」に着目。
日本と朝鮮半島の「はざま」にいた在日コリアンを軸にこの時期を辿りつつ、この時代をテーマとした2010年代以降の日韓両国の作品も展示される。

ハイレッド・センター《「シェルター計画」人体展開図写真(白南準)》 1964年 写真 26.7×28.8cm 個人蔵 ©Genpei AKASEGAWA, Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
安齊重男《1970年代美術記録写真集 「ナムジュン・パイク 1978年5月 草月会館」》 1978年 写真 27.9×35.6cm 東京都現代美術館蔵 ©Estate of Shigeo Anzaï, Courtesy of Zeit-Foto

第2章は世界的なビデオアーティスト Nam June Paikを中心に展開。
日本植民地時代の朝鮮半島に生まれたPaikは、1950年に来日して東京大学の美学美術史学科にて学び、ドイツやアメリカで活躍しながらも生涯にわたって日本のアーティストやクリエイターたちと親交を結び続けた。

日韓国交正常化の時期を前後して、同時代の日本の美術界と特異な立ち位置で関わった彼を中心に、両国のアーティストたちの繋がりを紹介する。

朴栖甫《遺伝質1-68》 1968年 油彩、カンヴァス 79.8×79cm 国立現代美術館蔵 ©PARKSEOBO FOUNDATION
李禹煥《線より》 1977年 岩絵具、膠、カンヴァス 182×227cm 東京国立近代美術館蔵 ©Lee Ufan
山口長男《軌》 1968年 油彩、板 182×182cm 横浜美術館蔵
郭徳俊《フォードと郭》 1974年 ゼラチン・シルバー・プリント 150×104cm 横浜美術館蔵(郭徳俊氏寄贈)

第3章では日韓国交正常化以後、一気に交通が開けた60s後半から80sに焦点が当てられる。

1965年以降、日本では同時代の韓国のアートを紹介する展覧会が規模の大小を問わず数多く開催された。
韓国でも同様の動きが見られ始めるこの時代を中心に、両国の同時代美術がどのように相手の国に紹介されたのかに着目することで、刺激を与え合っていた日韓のアート界を探求する。

中村政人《トコヤマーク/ソウル》 1992年 韓国製床屋マーク、鉄他 161×φ130cm 個人蔵

「あたらしい世代、あたらしい関係」と題される第4章では、1992年にソウルで開催された中村政人と村上隆による伝説的な2人展「中村と村上展」を起点に、同時代のソウルで活動を始めていたIee Bulの作品を紹介。

1990年、中村は韓国政府の国費留学生として美術大学の名門弘益大学に留学し、当時のソウルのアート界や同世代のアーティストたちと繋がりを持つようになる。
それを皮切りに、植民地支配下の朝鮮半島から日本へ多くの留学生が渡った近代期に対する、逆流の先駆けがアート界で生じていった。

富山妙子《光州のピエタ》 1980年 スクリーンプリント 49.8×63.7cm 横浜美術館蔵(坂田棗氏寄贈)
灰原千晶、李晶玉《区画壁を跨ぐ橋のドローイング》 2015年 デジタルプリント、色鉛筆 21×29.7cm 個人蔵
高嶺格《Baby Insa-dong》 2004年 インクジェット・プリント、モニター、ビデオ(カラー、サウンド) サイズ可変 個人蔵

最終章では、「ともに生きる」をテーマにアートと社会問題が分かち難く結びついた作品群を展示。
1987年、韓国で長らく続いた軍事独裁政権は民衆の力で終焉を迎えるが、民主化に連帯する動きは韓国国内外のアーティストたちにも広がっていた。

アートと社会の緊密な関係性は現在のアーティストたちにも形を変えて引き継がれ、見過ごされがちな社会の問題を提起することは、今ではアートの大切な役割の1つとなっている。

田中功起《可傷的な歴史(ロードムービー)》 2018年 ビデオ・インスタレーション サイズ可変 個人蔵

どんな時代、どんな状況にあっても近接する他者であり続けてきた国 韓国。
共に在る隣人を知り、そして自分自身を見つめて。



YOKOHAMA MUSEUM OF ART
045-221-0300



【Yokohama Museum of Art Reopening Inaugural Exhibition “Art between Japan and Korea since 1945”】
DATE:3月22日(日)まで開催中
※木曜定休
TIME:10:00am~6:00pm
※入館は閉館の30分前まで
PLACE:横浜美術館
ADDRESS:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
ADMISSION:一般 ¥2,000、大学生 ¥1,600、中学・高校生 ¥1,000、ペア券(一般2枚) ¥3,600
※小学生以下無料
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE:yokohama.art.museum/exhibition/202512_jkart1945/

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