今コレクションのルーツとなったのは、50sのワードローブ。
社交的な華やかさとシンプルな生活を両立する女性のライフスタイルをイメージした、優美な中にも実用性が際立つコレクションとなっている。

コレクション全体を通してモチーフとして多く登場する花々は、18世紀のオランダ絵画から引用したもの。
刺繍やベースのプリントに用いることで、植物の色彩を蘇らせたかのような鮮明なカラーコントラストを生み出した。

モヘアのアイテムやドレスに抽象的に描かれる花の影は、城壁の庭の木陰に佇んでいる情景を思わせる。

素材にはリネン、ツイードやコットンを採用。
カラーパレットはオレンジやピンク、グリーンやマゼンタなど記憶に訴えかけるドラマティックなバリエーションが登場した。

手刺繍のフラワーモチーフやクリスタルの装飾からは、きらびやかな中に繊細なクラフツマンシップがのぞく。

ボタンダウンのシャツとペンシルスカートはオーバーサイズのシルクリボンでアレンジされ、丸みを帯びたカットが特徴的なドレスはパフスリーブをアクセントに仕上げられた。
ベーシックなデザインに加わった独創的なディテールは、控えめながらも奔放な一面を秘めていることを暗示する。


日常に溶け込みながらも、花のように咲き乱れる色彩。
自身のさまざまな面を表現してくれる特別なコレクションを鮮やかにまとって。



ERDEM
erdem.com



Photography by Ben Parks
Videography by James Thompson
Hair by Ryan Steedman
Make up by Rachel Hardie at NARS