ファッショナブルでチャーミング、それでいてどこか風変わりな、唯一無二の世界観を生み出すWes Anderson。
「The Royal Tenenbaums（邦題：ザ・ロイヤル・テネンバウムズ）」や「The Darjeeling Limited（邦題：ダージリン急行）」、「Moonrise Kingdom（邦題：ムーンライズ・キングダム）」、「The Grand Budapest Hotel（グランド・ブダペスト・ホテル）」、「犬ヶ島」など、数々の名作で広く知られている。

心ときめく色彩とデザインが特徴的な衣裳やセットをはじめ、シンメトリーなカメラワークや、愛嬌あふれるキャラクター、シリアスなテーマをも軽妙に描き出したストーリーなど、細部に至るまで徹底されたWesのこだわりは、人々を魅了し、インスピレーションを与え続けてきた。

Wesの公私にわたるパートナーであるJuman Maloufは、イラストレーターやコスチュームデザイナー、作家として幅広く活躍。
自身のファンタジー小説「The Trilogy of Two」で話題を呼んだほか、Wesの映画作品においても、衣裳のデザインやキャラクタースケッチを担当するなど、共同して制作に携わってきた。

今展は、古代から19世紀までのヨーロッパ各地の美術品を収蔵するウィーン美術史美術館とウィーン自然史博物館の所蔵品から、WesとJumanがキュレーターとして選定した538点を展示。
タイトルの「Il sarcofago di Spitzmaus e altri tesori（棺と秘宝の中のトガリネズミのミイラ）」は、展示品の1つである、トガリネズミの棺として用いられた紀元前4世紀のエジプトの木箱にちなんでおり、今展は昨年11月から今年4月にかけてウィーン美術史美術館で開催された同名の展覧会の巡回展となっている。

WesとJumanは、エメラルドの容器やドレスなど緑色のものだけで構成された部屋や、子どもの肖像画を集めた部屋、カメオやコインなど細かなオブジェを並べた部屋など、伝統的な美術館の規範を覆す、独自の感性に基づいた学際的なアプローチで空間を創造。

また、会場のFondazione Prada に併設されているカフェ「Bar Luce」も、Wesによるデザインとなっている。


脈々と受け継がれてきた伝統的価値と、精緻を極めた遊び心の融合。
あらゆるコンテクストから解き放たれたコレクションが凝縮した、驚異の部屋を探検して。



FONDAZIONE PRADA MILAN
+39 02 5666 2611



【WES ANDERSON | JUMAN MALOUF: IL SARCOFAGO DI SPITZMAUS E ALTRI TESORI】
DATE：2020年1月13日（月）まで開催中 ※火曜休館
TIME：10:00am～7:00pm ※金曜、土曜、日曜は9:00pmまで
PLACE：Fondazione Prada Milan
ADDRESS：Largo Isarco, 2, 20139 Milan
ADMISSION：一般 10 €（TEMPORARY PROJECTS ONLY）
WEBSITE：www.fondazioneprada.org/project/il-sarcofago-di-spitzmaus-e-altri-tesori/