Yang Bo

Top Photo:hole #5, 2025, Oil on canvas, 33.5 x 24 cm

Yang Bo

「距離感」を軸に表現される、川と飛行機、そして植物

画家 Yang Boによる展覧会「Take me to the river」が、Yutaka Kikutake Gallery Roppongiにて2月21日(土)まで開催中。

hole #5, 2025, Oil on canvas, 33.5 x 24 cm

1991年中国湖北省に生まれ、現在は東京を拠点に活動する画家 Yang Bo。
これまで一貫して、映画や音楽を代表する大衆文化とその受容に関わる距離感をテーマに制作を続けてきた。

作家の個人的な原体験を基軸に生み出される、ポップでありながらアイデンティティーや歴史、現代社会にまつわる問いかけを含む作品群は、群集心理や消費社会に対する高度な批評性を獲得。
それらは道端や川べり、室内などの日常的な光景に、60s、70sのポップ・スターたちの歌詞を構成した画面を特徴としている。

本展では、初期から取り上げてきた「川」、近年の主要なモチーフである「飛行機」、および作家の日常に深く溶け込む「植物」を中心に描かれた約10点の新作群を発表。

飛行機の連作5点の画面には、川にまつわる歌の歌詞が共に描かれる。
隔たりあるいは円環の示唆を含み、常に曖昧さをはらみながら自身のアイデンティティーにも影響を与えてきたものとしてYangが度々描いてきた川。
近年、空港および飛行機に「距離感」というテーマとの親和性を見出したYangは、それらに川というモチーフを重ね、表現の深度を模索している。
「River」を想起する歌詞と画面中央に描かれた飛行機との関係性は、観る者の想像に委ねられる。

また普段から植物に囲まれて生活しているという彼は本展に際し、ふと視野を捉えた日常の光景をモチーフにした2枚のキャンバスを制作。
1枚は葉と枝の線によって形作られた空間が黒く塗りつぶされ、そこには「believe」という文字が浮かぶ。
一方ほとんど同じ構図でより明るい色相で描かれた2枚目には、「totally believe」という文字が見える。
記号性や象徴、声高な主張や陰謀論めいた安易な希望が次々と消費される世界へと投げかけられた批評的な視点が、画面が醸し出す不穏さと呼応していく。

タイトル「Take me to the river」は、恋に溺れる歌い手の心情に洗礼や浄化といったさまざまな連想が読み取れる、アメリカのシンガーソングライター Al Greenによる歌詞から引用したもの。
問い続けることで制作を重ねてきたというYangの絵画群は、混迷を極める現代を生きる私たち自身にも深く問いかけ、共鳴を呼び起こす力に満ちる。


「距離感」を主軸に実践を貫いてきた画家 Yang Bo。
鮮やかな色彩の中に、混沌の世界に対する1つアプローチが見える。



YUTAKA KIKUTAKE GALLERY
www.yutakakikutakegallery.com/



【Yang Bo “Take me to the river”】
DATE:2月21日(土)まで開催中
TIME:12:00pm~7:00pm
※日曜、月曜、祝日休廊
PLACE:Yutaka Kikutake Gallery Roppongi
ADDRESS:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2階
ADMISSION FREE
WEBSITE:www.yutakakikutakegallery.com/ja/exhibitions/take-me-to-the-river/

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