Top Photo:©︎Nerhol, Courtesy of the artist and The Mass
飯田竜太と田中義久の2人から成るアーティストデュオ Nerholによる個展「REVERBERATION」が、The Massで12月26日(火)まで開催中。 また、会期を延長し2024年1月6日(土)から21日(日)までの期間も開催される。
東京を拠点に活動するNerholは、主に彫刻を行う飯田竜太と、支持体となる紙や平面的構成に向き合う田中義久の、両者の行為の融合による制作を行うアーティストデュオ。 飯田は1981年静岡県に生まれ、2004年に日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業した後、2014年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術専攻を修了。 1980年、同じく静岡県に生まれた田中は、2004年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を卒業後、現在は慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程に在学している。 それぞれの活動を行っていた2人は、現代でいかにして問題を提起し人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年よりNerhol として活動を開始した。
特定のモチーフの連続写真を何枚も物理的に積み重ね、彫刻し、1つの作品を制作する彼らのアプローチ。 他に類を見ない新しい物理的な形態と視覚的な美意識をまとうそれらは、重層的な時間や歴史の層を内包する。 2011年から200カット以上撮影したポートレートを束ねて彫刻した歪んだ人物像の立体作品をはじめ、国内外の美術館や展覧会への参加を重ねる中で、彼らは一貫して日常では見落とされがちな有機物がはらむ多層的な存在態を解き明かそうと試みてきた。
本展では、近年2人が継続的に取り組んでいるテーマである「帰化植物」を捉えたシリーズを中心とした新作を展示。 帰化植物とは、本来の自生地から人間活動を含むさまざまな要因によって他の地域へ運ばれ、やがてその土地で野生化した植物のこと。 その植物やそれらを運んだ何か、またはその因果を作った人間の活動など、そこに介在する時間や歴史という概念は、Nerholの作品に通底する欠かせないコンセプトでもある。 人間とはまったく異なる時間軸の中で歴史的に生き残ってきた帰化植物は、飯田の身体性と田中の思考性を伴い、そのたくましさと美しさを通して私たちが普段何気なく目にするものを再び意識させる。
生命力にあふれた帰化植物に介在する時間や歴史。 2人の対話が繰り返された、重層的な芸術活動の奥行きを感じて。 THE MASS 03-3406-0188 【Nerhol “REVERBERATION”】 DATE:12月26日(火)まで、2024年1月6日(土)〜21日(日) ※月曜、火曜休館 ※12月25日(月)、26日(火)は特別開廊 TIME:12:00pm~7:00pm PLACE:The Mass ADDRESS:東京都渋谷区神宮前5-11-1 ADMISSION FREE WEBSITE:themass.jp/gallery3/
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