Jean-Michel Folon

Top Photo : 《無題》フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

Jean-Michel Folon

20世紀ベルギーを代表する芸術家が遺した、静かな願い

20世紀を生きたベルギー生まれのアーティスト Jean-Michel Folon の展覧会「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」が、東京ステーションギャラリーにて9月23日(月・祝)まで開催中。

《無題》フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画》1976年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《無題》フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

1934年ベルギー・ブリュッセルのユックル地区に生まれ、若年期に建築や工業デザインを学んだJean-Michel Folon。

絵画世界に惹きつけられた彼は、1955年に移住したパリ近郊でひたすらドローイングを描く日々を送り、60sになるとアメリカの有力誌に作品が掲載されるようになる。
1969年にはニューヨークのギャラリーにて初となる個展を開催し、その後も各国の美術館にて展覧会を開催するなど、国際的に高い評価を確立。

2000年にはフォロン財団を設立し、2005年にモナコにて71歳で逝去した。

《無題》1968年頃 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《無題》1983年頃 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《『世界人権宣言』表紙 原画》1988年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

色彩豊かで詩的なFolonの作品群は、美しく爽やかな印象の裏に、環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発を隠し持つ。
そこには孤独や不安の感情が通奏低音のように流れており、環境や自由への高い意識を持ち、抑圧や暴力、差別などに対して静かな抗議を続けてきた彼の姿勢が、柔らかな作風の中に垣間見える。

 《月世界旅行》1981年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
《グリーンピース 深い深い問題》1988年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025
《秘密》1999年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025 ©photograph by Fernandez

本展のタイトルは、Folonが制作し実際に使っていた名刺「FOLON: AGENCEDE VOYAGES IMAGINAIRES(フォロン:空想旅行エージェンシー)」が着想源。

初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点を公開する、日本では30年ぶりの大回顧展となる。

《見知らぬ人》1991年 フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025

観る人との対話を促す、多様な方法で制作された作品の数々。
平和な世界を静かに希求したアーティストが、芸術にのせて遺した想いを受け取って。



TOKYO STATION GALLERY
03-3212-2485



【Jean-Michel Folon “FOLON: Agency of Imaginary Journeys”】
DATE:9 月23日(月・祝)まで開催中
※月曜休館
※ただし8月12日(月・祝)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館
TIME:10:00am~6:00pm
※金曜は8:00pmまで
※入館は閉館30分前まで
PLACE:東京ステーションギャラリー
ADDRESS:東京都千代田区丸の内1-9-1
ADMISSION:一般 ¥1,500、大・高生 ¥1,300
※中学生以下無料
※チケットの詳細は展覧会および美術館のウェブサイトをご確認ください。
WEBSITE:ourfolon.jp

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