Gala Espel

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自然界からの影響を思慮する探求の旅へ

パリと東京を拠点に活動する建築家・デザイナー Gala Espelの個展「Semis/紙から生命へ」展がBaBaBaにて10月27日(日)まで開催中。

© Gala Espel

パリのカモンドデザイン学院で建築を、スイスのローザンヌ州立美術大学院で造形を学び、数々の受賞歴を持つGala Espel。
学術的なリサーチをもとに世界各国の文化を深く探求し、産業とクラフトの関係性、モノが人類やその生活様式に与える価値などを考察してきた。

多様な文化的視点とさまざまな職人や技術者たちとのコラボレーションを通して生み出される作品のフォルムからは、絶えず「デザイン」を再考する姿勢が見て取れる。

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今回の展示は植物を育てるために特別に開発されたシードペーパーからできたオブジェ「Semis」が主役。
植物の種を含んだ有機的なオブジェは、水を与えることで生命を宿し、種が蕾になり草花が成長していく。

その過程でオブジェの気配は次第に薄れ、最後には土に植えてもらえるようにという作者の想いのもと、静かにその姿を消していく。Galaの作品は、アートとデザイン、自然と人工、創造と分解といった、相対するものの交差点を示している。

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会場には自然の力によって変容している最中のオブジェが並ぶ。
半透明のパネルを通した柔らかな光が紙に隠れた種たちのシルエットに静かな影を落としたり、芽や花に覆われ朽ちゆく彫刻たちが庭園を彷彿とさせるパノラマビューを作り出したり。
穏やかさの中で、希望と哀愁の間を行き来する作品は、自然と人工物の関係性について思考を巡らせる旅へと観る者を誘う。

来場者は、有機世界のシンプルな美しさや繊細な儚さを象徴するようにデザインされた「Semis」を実際に手に取り、ガイドに沿って自身の手で組み立てることもできる。
五感を研ぎ澄ませ、自然が生命に息を吹き込むプロセスを追体験できる展示となっている。

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思考を揺さぶる、美と機能の融合した生命装置。
自然界の原則に触発されたデザインが「種まき」という大きな運動に繋がっていく。



BABABA
03-6363-6803



【Gala Espel Exhibition Semis / 紙から生命へ】
DATE:10月27日(日)まで開催中
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:BaBaBa
ADDRESS:東京都新宿区下落合2-5-15-1階
ADMISSION FREE
WEBSITE:bababa.jp/gala-espel/semis/

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