Top Photo:Courtesy of Balenciaga
「BALENCIAGA」の第54回クチュールコレクションから、心惹かれるルックをピックアップ。
Cristóbal Balenciagaの精神を現代に再構築してきたデザイナー Demnaによる第54回クチュールコレクション。 「完璧」という不可能を追い求めた彼の10年間の軌跡が、彫刻的なフォルムと圧倒的な構築力で描き出されたラストコレクションとなった。 今コレクションの出発点となったのは、ブルジョワジーのドレスコードへの考察。 顔周りを縁取るチューリップ型のラペル、House of Mediciや「Nosferatu(邦題:ノスフェラトゥ)」を想起させるハイカラーの襟元が、威厳とエレガンスを体現する。 精緻で彫刻的な構造美にミニマリズムが融合し、再解釈されたコルセットや流れるようなテーラリングは、特徴的なアワーグラスのシルエットを導き出している。
オーガンザ、フェザー、シルクやサテンといった素材は、軽やかでありながら造形的なボリュームを形成。 俳優 Marilyn Monroeに着想を得た黒のスパンコールの「Diva」ガウン、世界で最も軽量なテクニカルオーガンザを用いたピンクの「Debutante」プリンセスドレス、シームが1つだけのドレープドレス、そして刺繍フェザーで仕立てた「ミンク」コート。 職人技と個人史が交差することで生まれたひとつひとつのルックが、クチュールの核心を表現する。
また、1827年創業の歴史あるパリの扇子メーカー「DUVELLEROY」との協業により、2点のアーカイブ扇子が復刻。 200時間以上をかけた職人技によって甦った今作は、クチュールのアクセサリーが持つ可能性を広げている。 ジュエリーデザイナー Lorraine Schwartzによるハイジュエリーは、俳優 Elizabeth Taylorのジュエリーへの愛にインスパイアされたもの。 1000カラットを超えるダイヤモンド、天然エメラルド、そしてパパラチアサファイアなどの輝きがコレクションに華を添える。 花のブローチには、アトリエの床から集められた廃材が再利用され、手作業によって新たな命が吹き込まれた。
ルックはパリ各地にて撮影され、Demnaがキャリアを始めた街への私的なオマージュとして構成。 あわせて公開されたサヴォアフェールビデオでは、Demnaにとって最後となるコレクションの制作舞台裏が、映画監督 Gianluca Migliarottiによって詩的に捉えられている。
「完璧」を追い求めた10年の集大成。 圧倒的な構築美に、Demnaが貫く美意識を感じて。 BALENCIAGA CLIENT SERVICE 0120-992-136
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