Eliot Porter
聡明で先駆的なネイチャーフォトグラファー
1979年にメトロポリタン美術館で開催された、アメリカの風景写真家 Eliot Porterの個展「Intimate Landscapes: Photographs」の展覧会カタログが、同館のウェブサイトで無料公開されている。
1901年イリノイ州に生まれ、家族の別荘地で植物を撮影するなど、少年時代から写真と自然科学に関心を抱いていたEliot Porter。
ハーバード大学で化学工学と医学の学位を取得し、およそ10年間にわたって研究者や教師として働く傍ら、野鳥や自然風景を収めた白黒写真に独学で取り組んだ。
その後、近代写真の父と呼ばれるAlfred Stieglitzとの出会いやニューヨークで開いた展覧会をきっかけに写真に専心し、ニューカラーの探求を開始。
カラー写真を手掛けたネイチャーフォトグラファーの第一人者として足跡を残し、繊細さや鮮やかさが同居するその作品は、あらゆる世代の人々に自然や自然界における人間の立場への新たな視座をもたらした。
メトロポリタン美術館で初めて開催されたカラー写真の個展である「Intimate Landscapes: Photographs」では、Porterによる55枚の写真が展示。
Porterの作品は、1949年にStieglitzと婚姻関係にあった画家のGeorgia O’Keeffeによって彼が収集していたコレクションが寄贈されて以来、同美術館の所蔵品に仲間入りしている。
その中には初期のPorterによる3枚の白黒プリントが含まれており、うち1枚が今カタログに複製された。
また、この他にも展覧会カタログをはじめとするさまざまな美術関連書籍が、メトロポリタン美術館のウェブサイト内「Met Publications」で無料閲覧およびダウンロード可能。