Online Reading|American Ingenuity

Top photo:©The Metropolitan Museum of Art

Online Reading|American Ingenuity

装いに自由をもたらした、スポーツウェアの歴史

1998年にメトロポリタン美術館で開催された、アメリカにおけるスポーツウェアの歴史を紐解く「American Ingenuity: Sportswear, 1930s-1970s」展の展覧会カタログが、同館のウェブサイト内「Met Publications」で無料公開中。

©The Metropolitan Museum of Art
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アメリカで30s初頭に誕生したのちファッションの主要な勢力となり、現在も女性の装いに影響を与え続けているスポーツウェア。

Bonnie CashinやTina Leser、Vera Maxwell、Claire McCardellといったデザイナーたちが現代の女性のライフスタイルに合わせて生み出した実用的でシンプルな衣服には、移動の自由や選択の自由に目を向けた新たな感性が映し出され、服装における男女同権の先駆けともなった。

©The Metropolitan Museum of Art
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今作のテキストは、メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートのキュレーター Richard Martinが、デザイナーたちの歴史的グループとしての立場や重要性を検証し、個々の特徴やテクニックについて論じたもの。

着る人に合わせた服装の典型例である「Wrapping and Tying」、スナップやファスナーといった便利で簡単な留め具に着目した「Latching」、女性が財布を持ち歩くための大きなポケットなど収納についての「Stowing」、女性たちが自らさまざまな組み合わせで作り出すセパレートスタイル「Harmonizing」、メンズウェアから引用した要素に関しての「Adapting」という、5つのセクションから構成された。


Richard は今作で取り上げた30sから70sまでのアメリカのスポーツウェアのデザイナー23人について、20世紀後半のファッションの方向性を決定し、あらゆる人がファッションで自己表現するのを可能にしたとして、その業績に賛辞を贈っている。

©The Metropolitan Museum of Art
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女性たちの装いを解放した、民主的な精神。
創意と洞察力にあふれたイノベーターたちが、服飾史に残した足跡を辿ってみては。



【American Ingenuity: Sportswear, 1930s-1970s】
READ ONLINE FOR FREE:www.metmuseum.org/art/metpublications/american_ingenuity_sportswear_1930s_1970s


【Met Publications】
WEBSITE:www.metmuseum.org/art/metpublications

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