Tomoko Mukaiyama

Top Photo:向井山朋子《KOKOKARA》映像作品、18分、2025年
Tomoko Mukaiyama KOKOKARA 18min. 2025

Tomoko Mukaiyama

照らし出される痛みの数々

アーティスト 向井山朋子による展覧会「Act of Fire」が、アーツ前橋にて3月22日(日)まで開催中。

《火を燃やす-1》2025年 ©Tomoko Mukaiyama

1963年和歌山県に生まれ、現在はオランダ・アムステルダムを拠点に活動するピアニスト・美術家 向井山朋子。
女性性を核に、身体性、セクシュアリティ、境界、記憶、儀式、自然、時空など異なるテーマを横断し、従来の形式にとらわれない舞台芸術やインスタレーション、映像作品を発表し続けている。

アート表現の拡張とタブーへの挑戦である一貫した作品群は、観る者、体験する者に深い内省や感情の揺らぎをもたらす。

《KOKOKARA》2025年 ©Tomoko Mukaiyama
《KOKOKARA》2025年 ©Tomoko Mukaiyama

向井山にとって美術館における初の大規模個展となる本展は、アーツ前橋の6つのギャラリーを地下劇場に見立てた回廊型インスタレーション。
シルクドレスの迷宮「wasted」(2009)、東日本大震災の津波で破壊されたグランドピアノを用いた「nocturne」(2011)、映像詩「ここから」(2025)など、新旧のアートワークが再構築される。

作家個人のものに限らないあらゆる痛みが、鮮烈に可視化されていく。

《KUMANO》2021年 ©Tomoko Mukaiyama
《KUMANO》2021年 ©Tomoko Mukaiyama

タイトルの「Act of Fire」は、本展が向井山の身体と記憶に深く根差す喪失、抵抗、怒りを燃焼させる儀礼的な空間であると同時に、ジェンダー不平等、自然災害、侵略といった現実世界の問題を「火」によって照らし出していく行為を示唆するもの。

回廊に次々と映し出される家族の肖像、男だけの火祭り、凝固した経血、津波の泥、燃え尽きるピアノなどのイメージは、観る者の記憶を呼び覚ますだけでなく、「私」と「世界」との関係性を問う思索の旅へと誘う。

《KUMANO》2021年 ©Tomoko Mukaiyama

心を震わせる空間の連なり。
鮮やかにかたどられた痛みを前に、考えを巡らせて。



ARTS MAEBASHI
027-230-1144



【向井山朋子 Act of Fire】
DATE:3月22日(日)まで開催中
※水曜定休
TIME:10:00am~6:00pm
※入場は5:30pmまで
PLACE:アーツ前橋 ギャラリー
ADDRESS:群馬県前橋市千代田町5-1-16
ADMISSION:一般 ¥1,000、学生・65歳以上 ¥800
※高校生以下無料、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名無料
※2月14日(土)、3月14日(土)は無料
WEBSITE:artsmaebashi.jp/exhibition_post/2025-mukaiyamatomoko/

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