Marina Le Gall

Top Photo:©︎Marina Le Gall

Marina Le Gall

人間の立ち位置を問い直す、野生動物の姿

フランスの陶芸家兼画家 Marina Le Gallによる作品展「どうして僕はこんなところに」が、ギャラリー のこぎりにて8月12日(月・祝)まで開催中。

1986年にフランス・カンペールの農家に生まれ、パリ国立高等美術学校で陶芸を学んだMarina Le Gall。

シドニー芸術大学への留学を経てDNSAP(フランスの全国職業資格の芸術分野の資格)を取得し、その後はパリ、ロンドン、ブリュッセルといった世界各地で展示を開催するなど精力的に活動している。

L’origine du monde/ 2021/ oil on canvas/ 120x120cm/
©︎Marina Le Gall

幼少期を動物に囲まれて過ごした彼女は、父の狩猟に同行し死にゆく動物たちを記録していた経験から、野生動物を題材とした絵画や彫刻作品の制作を続けてきた。

2016年にはパリ郊外の森の中で制作した高さ3mにおよぶ巨大な作品「Hannibal」のプロジェクトで、国内外から注目を集めた。

Apocalipse/ 2024/ oil on canvas/ 130x195cm/
©︎Marina Le Gall
Agitation/ 2018/ oil on canvas/ 116x89cm/
©︎Marina Le Gall

Marinaにとって日本で2度目の個展であり、絵画作品にフォーカスしたものとしては初の作品展となる本展。

ドローンあるいはアンドロイドが撮影した写真のように瞬間的かつ冷徹な視点で風景を切り取る彼女の絵は、人間の脳で判断すること、これまでの経験値を集めたデータで判断することを拒否する。
生死に対する感情のないそこでは、人間は何歩も下がってその当たり前の流れを観察しながら、ただ背後にある大きな力を感じる存在に過ぎない。

Ice cream/ 2019/ oil on canvas/ 92×73cm/
©︎Marina Le Gall

彼女は、「自然や動物をテーマに描くということは、筋の通ったストーリーに沿うのではなく矛盾を受け入れることだ」と語る。
Marinaの絵は人間だけが気にするストーリーや矛盾を捨て去ったところにあり、それらはさまざまな自然と生命から隔絶されてしまった私たちに、「今、どうしてこんなところにいるのだろうか」と自問させる。

会場とオンラインショップ トンカチストアでは、本展の開催を記念して、彼女のアートをモチーフにしたオリジナルグッズが販売中。


野生の世界を知る、静かな観察者。
自然の傍で生きる彼女の真摯な創作に、想いを巡らせて。



TONKACHI, LTD
03-5728-5147



【Marina Le Gall “What Am I Doing Here”】
DATE:8月12日(月)まで開催中
※月曜、火曜休廊
※8月12日(月)は開廊
※水曜、木曜、金曜は事前予約制
TIME:12:00pm~7:00pm
PLACE:のこぎり
ADDRESS:東京都渋谷区猿楽町5-17 第一西尾ビル2階
ADMISSION FREE
RESERVATION:www.nokogiribytonkachi.jp/reservations
WEBSITE:www.nokogiribytonkachi.jp/marina_detail-jp24
ONLINE SHOP:shop.tonkachi.co.jp/blogs/special/mlg24-goods

SHARE