Top Photo:©︎Marina Le Gall
フランスの陶芸家兼画家 Marina Le Gallによる作品展「どうして僕はこんなところに」が、ギャラリー のこぎりにて8月12日(月・祝)まで開催中。
1986年にフランス・カンペールの農家に生まれ、パリ国立高等美術学校で陶芸を学んだMarina Le Gall。 シドニー芸術大学への留学を経てDNSAP(フランスの全国職業資格の芸術分野の資格)を取得し、その後はパリ、ロンドン、ブリュッセルといった世界各地で展示を開催するなど精力的に活動している。
幼少期を動物に囲まれて過ごした彼女は、父の狩猟に同行し死にゆく動物たちを記録していた経験から、野生動物を題材とした絵画や彫刻作品の制作を続けてきた。 2016年にはパリ郊外の森の中で制作した高さ3mにおよぶ巨大な作品「Hannibal」のプロジェクトで、国内外から注目を集めた。
Marinaにとって日本で2度目の個展であり、絵画作品にフォーカスしたものとしては初の作品展となる本展。 ドローンあるいはアンドロイドが撮影した写真のように瞬間的かつ冷徹な視点で風景を切り取る彼女の絵は、人間の脳で判断すること、これまでの経験値を集めたデータで判断することを拒否する。 生死に対する感情のないそこでは、人間は何歩も下がってその当たり前の流れを観察しながら、ただ背後にある大きな力を感じる存在に過ぎない。
彼女は、「自然や動物をテーマに描くということは、筋の通ったストーリーに沿うのではなく矛盾を受け入れることだ」と語る。 Marinaの絵は人間だけが気にするストーリーや矛盾を捨て去ったところにあり、それらはさまざまな自然と生命から隔絶されてしまった私たちに、「今、どうしてこんなところにいるのだろうか」と自問させる。 会場とオンラインショップ トンカチストアでは、本展の開催を記念して、彼女のアートをモチーフにしたオリジナルグッズが販売中。 野生の世界を知る、静かな観察者。 自然の傍で生きる彼女の真摯な創作に、想いを巡らせて。 TONKACHI, LTD 03-5728-5147 【Marina Le Gall “What Am I Doing Here”】 DATE:8月12日(月)まで開催中 ※月曜、火曜休廊 ※8月12日(月)は開廊 ※水曜、木曜、金曜は事前予約制 TIME:12:00pm~7:00pm PLACE:のこぎり ADDRESS:東京都渋谷区猿楽町5-17 第一西尾ビル2階 ADMISSION FREE RESERVATION:www.nokogiribytonkachi.jp/reservations WEBSITE:www.nokogiribytonkachi.jp/marina_detail-jp24 ONLINE SHOP:shop.tonkachi.co.jp/blogs/special/mlg24-goods
日本屈指の彫刻家が考え続けた人間の本質
アートのように立ち現れる日常風景
象徴的バッグに注がれる、日本の創造性
20世紀ベルギーを代表する芸術家が遺した、静かな願い
今週のおすすめアート
さまざまな素材と技法の掛け合わせから生まれる関係
京都を舞台に写した、青春をめぐる1冊
アートディレクターと写真家が交わす美しき対話
60sに描かれた色彩豊かな少女たちの日常
日常に存在する儚い瞬間を捉えた写真集
柔らかな奥行きをまとうコラボレーションシューズ
未来への好奇心を表情に宿すニュアンスカラー
10周年を祝した記念号が発売
「宿」をテーマに昇華される生命観
オフィスでの日常に隠された内面世界
遊び心に満ちた彫刻が輝くリング
軌跡と進化が織り成す「MACKINTOSH」2024年秋冬コレクション
横浪修の作品集「Assembly Teshikaga」が「Lula BOOKS」より発売
Lula Japan編集部に聞いた思い出の1枚