Collection|VIVIENNE WESTWOOD 2025AW
仕立ての伝統が宿る現代のフォルム、時をまとう佇まい
「VIVIENNE WESTWOOD」の2025年秋冬コレクションから、心惹かれるルックをピックアップ。
2025年秋冬コレクションでは、ブランドのルーツである英国伝統の仕立てが持つフォーマルな構築美が再評価され、その厳格さの中に宿る個性がウィメンズおよびメンズの両ラインに表現された。
鍵となるのはハリスツイードやスコットランドのタータンチェック、そしてヨークシャーウールといった、歴史ある英国ならではの素材。
豊かな色彩と多彩なパターンが、構築的なテーラリングに命を吹き込んでいる。
コレクションには、キルティングベルベットで仕立てられたプールポワンスリーブやフェンシングジャケット、デニムやサージ素材のレースアップトラウザーなど、パーティシーンにも応えるアイテムが揃う。
マスキュリンなニュアンスのシアリングにはプリントを重ねたタータンニットを合わせることで、繊細な演劇性が添えられた。
ブラックでまとめられたイブニングウェアは、静謐な強さを印象づける。
また注目すべきは、1991年春夏コレクション「Cut, Slash and Pull」からの引用。
当時のスラッシュ加工をポプリンやタフタ、タータンには手仕事で再現し、ジャージー素材には経年を感じさせるダメージ加工が施された。
さらにラフにペイントされたストライプ、コーヒーで染みをつけたようなプリント、オーバーダイのテクスチャーなどによって、すべてのアイテムがまるで長年愛用されてきたかのような風合いをまとっている。
「この世界は1つの舞台、人はみなその役を演じる役者に過ぎない」——William Shakespeareの戯曲の一節のように、ドラマティックな伝統を現代の視点で再構築したシルエットが、過去と現在を繋げている。
テーラリングが描くのは、魅惑的な物語。
その独特なバランスに思わず目を奪われる。
VIVIENNE WESTWOOD
www.viviennewestwood-tokyo.com