アーティスティック・ディレクター Nicolas Ghesquiereによる今コレクションは、フレンチファッションが誇る「ソフトパワー」がテーマ。

伝統的な「サヴォアフェール（匠の技）」と、「アール・ドゥ・ヴィーヴル（豊かなライフスタイル）」を兼ね備えた文化的特異性のもと、「ソフト」と「パワー」という対立する2つの概念の調和が試みられ、華やかなルックの数々がランウェイを彩った。

ラインナップするのは、相反する要素を行き来し、絶え間ない動きを生み出すウェア。
構造のしなやかさ、難解な軽さ、卓越した振動、蜘蛛の巣のような深み、幽玄な華麗さ、鋭い繊細さ、毅然とした女性らしさ、流動性のメカニズムが、印象的なハーモニーを奏でる。

アイテムには、バルーンスリーブのジャケットやパワーショルダーのブラウスなどのボリュームのあるものと、ミニマルなワンピースなど軽やかさを持つものが登場。
メタリックなパンツ、スパンコールやビジューのフリンジスカート、グラフィカルなパターンなども存在感を放った。

さらに今シーズンは、アーティスト Laurent Grassoによる｢Studies into the Past（邦題：過去への探究）」と題された絵画作品シリーズから5点を厳選し、それらを再構築したピースが登場。

彼の作品をデザインに落とし込んだ半袖ジャケットやトランクバッグなどが、独創的な雰囲気でランウェイを包み込んだ。

対極にあるものの間を行き来する、きらびやかなコレクション。
多面的な女性らしさを描く、優雅な動きに酔いしれて。



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