Discover Designers|TELMA
受け継ぐ技と新たな視点で紡ぐ服作り
ワードローブに新たな風を吹き込む、フレッシュな彩り。
Lula Japan Webがフィーチャーする、個性に富んだブランドたち。
今回は、時代に流されない美しさを追求するファッションブランド「TELMA」をご紹介。
「DRIES VAN NOTEN」や「ISSEY MIYAKE」で経験を積んだデザイナー 中島輝道が手がけるファッションブランド「TELMA」。
彼は時代を超える美しさや産地の知恵、受け継がれる伝統技術に学び、新たな服の表情や動きの表現を探求。
服作りに関わる人々のひたむきな姿勢や想いによって、⽇常をより豊かにする洋服を⽬指している。
2026年春夏シーズンのテーマは「素/ PURE」から感じる強さ。
画家 Amoako Boafoの静謐なポートレートに触れた中島は、シンプルな中に宿る力強さや心地よいリズムに導かれながら、自然体のクリエイションへと向かったという。
今コレクションでは新しいものを追いかけるだけではなく、立ち止まり、身近なものに別の視点を与え、飾らない美しさを見出した。
テキスタイルはブランドの核であるプリントに加え、ものづくりの過程で生まれる残反に目を向け素材として再利用。
生地を裂き、結び、撚りをかけて1本の糸に再生し、手編みによって新たなニットへと昇華させた。
そこに宿る強さと不均一な美しさが、「PURE」の1つの表現として提示されている。
日本画の技法「裏彩色」から着想を得たプリントは、奥行きのある色味を探求。
2025年秋冬コレクションで試みた「表に柄、裏に単色」という手法をさらに発展させ、今季は両面に柄を施すことで彩りに深みと立体感を与えている。
また、タイダイ染めの手仕事をプリントで表現し、伝統技法を現代的な視点で再構築した。
デザインにおいても、カジュアルな素材をドレスアップへと昇華するアプローチを継承しつつ、今季は丸みを帯びたフォルムによるリラックス感を追求。
「ただ美しいもの」ではなく、人間的で無邪気な衝動「PURE」な強さを、ブランドらしい現代的な解釈で描き出している。
「TELMA」が見つめる、日常に宿る美しさ。
技と感性が交差する、時代を超えるものづくりを目撃して。
TELMA
www.telma.jp
TELMA:
デザイナー 中島輝道が、2022年よりスタートしたファッションブランド。
時代を超える美しさや産地の知恵、受け継がれる伝統技術からインスピレーションを得つつ、新たな服の表情や動きの表現をするために素材を探求しながら服作りを行っている。